メキシコってどんな所?
そまちひろさんが1ヶ月滞在したメキシコを紹介します。

メキシコの水事情−危ない? 安全?

2016/05/17

メキシコの水道水は飲めません。これは全域どこに行ってもそうです。首都のメキシコ・シティでは、大規模な浄水場で上水道については殺菌処理をしているそうですが、メキシコ・シティに長く住んでいた友人によると、薬臭くて飲めたものじゃない、と言っていました。

わたしのポリシーとしては、飲料水はボトル入りのものを買う、料理や歯みがきなどには水道水を使う、というものです。けれど最近、ドイツ人の隣人とその話をしていたら、彼女が「料理にも歯みがきにも使っちゃ駄目だよ!」と言い出しました。

彼女はお茶を沸かすにも、ちょっと何かを茹でるにも、30リットル入りで売られている大きなボトルの水を使っているというのです。お金がかかって仕方がないと思うのですが、そうするようにしたら体調を崩すことが少なくなった、と言い張っていました。

彼女いわく、メキシコの水には先進国の人間が受け付けないバクテリアがたくさん住んでいるので、まず口に入れたらいけない、とのこと。確かに浄水技術は信用できないですが、その土地で長く暮らすというのは、水に慣れるということではないでしょうか。多少のバクテリアを飼いならしていくくらいでないと、逆に抵抗力が落ちてしまうと思います。

ただこれはわたしの考えで、もちろん自分の体の強さや体調に合わせて水に気をつけることも必要だと思います。

別のスウェーデン人の知り合いが、「その土地の水を飲むとその土地の人間になる」というメキシコの古い言い伝えを教えてくれました。彼女は、うっかりそれとは知らずにカンクンで水道水を飲んでしまったことがあるそうです。それ以来、冬はカンクンで過ごすようになって10年経つ、と言っていました。

わたしもどこかで、うっかりメキシコの水を飲んだことがあるとしたら、メキシコとの付き合いは長いものになるかもしれません。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。