メキシコってどんな所?
そまちひろさんが1ヶ月滞在したメキシコを紹介します。

メキシコで一番ご飯が美味しい街、オアハカ

2016/04/19

モレ。スパイスとチョコレートの苦味、甘みが複雑に絡み合って、絶品です

モレ。スパイスとチョコレートの苦味、甘みが複雑に絡み合って、絶品です。

中南米は、美食を楽しみに旅行するような場所ではありません。基本的に、味のない肉と、パサパサの米と、脂ぎったスープしか食べられないと思ってください。

ただ、ひとつだけ例外の国があり、それがメキシコ。太平洋とカリブ海両方に面し、広大な国土に様々な気候があるメキシコは、食べ物が多様で美味しいのです。

そのメキシコの中でも、メキシコ人が食べ物が美味しいと絶賛するのがオアハカ。ソースとスープとチーズが有名な街です。

オアハカに来たら必ず食べて欲しいものがいくつかあります。

まず、モレ。モレというのは7種類ある独特のソースのことで、チョコレートとスパイスを混ぜ合わせたモレ・ネグロとモレ・ロホが有名。チキンにかけて食べるんですよ。えー、チキンにチョコレート? と最初は抵抗がありましたが、食べてみるとスパイスとチョコレートの苦味、甘みが複雑に絡み合って、絶品です。

それからポソレ。白、赤、緑の3種類のスープがあり、チキン、ポーク、ビーフから具材が選べます。全部で9通りの組み合わせがあるわけです。赤はちょっとピリカラ、緑はマイルド。個人的にはスープに染み出た具材の味が楽しめる白が一番好きです。他にはキャベツ、チョクロ(大きい白いコーン)、ラディッシュ、アボカドなどの具材がたっぷり。寒い雨の日に食べると、いつもしみじみ感動してしまいます。

ケスィヨ。日本にもある裂けるチーズにそっくりな食感。

ケスィヨ。日本にもある裂けるチーズにそっくりな食感。

ケスィヨもオアハカを語る上で欠かせない食材のひとつ。チーズの一種なのですが、日本にもある裂けるチーズにそっくりな食感。ビールのつまみに食べだすと止まりません。一説には、日本の裂けるチーズはこのケスィヨを元に考案されたのだとか。

トラユダもかかせません。メキシコ版ピザとでも言いますか、まず直径30センチほどもある大きなトスタダ(挙げたトルティーヤ)に、ビーンズペーストを塗り、トマトやレタス、アボカドを散らして、ケスィヨを乗せます。あとはお好みで、薄いビーフの一枚肉(タサホ)や、チョリソー、コスティヤ(ポークリブ)を乗せて食べます。

見るものすべてが珍しく美味しいオアハカ料理。ここでは思う存分美食を楽しんでください!

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。