メキシコってどんな所?
そまちひろさんが1ヶ月滞在したメキシコを紹介します。

年中贈り物をしているメキシコ人男性

2016/01/26

常に風船売りがたむろしています。

常に風船売りがたむろしています。

現在住んでいる築150年ほどのコロニアル調の建物には、7つの部屋と大きなパティオ(中庭)があります。中庭を囲むように部屋が位置しているのですが、ある日の夜、部屋でくつろいでいると、中庭から突然、大音量のメキシコ音楽が聞こえてきました。

びっくりして中庭に出てみると、隣人のカップルを取り囲んで、マリアッチの一団が演奏していました。マリアッチとは、メキシコ独特の流しのバンドで、お客のリクエストに応えて集団で演奏する人たち。

マリアッチはロマンティックな曲を7曲演奏して、風のように去って行きました。ワケが分からずにいるわたしに、隣人カップルの女性の方が「今日はわたしの誕生日なの。彼がマリアッチの曲をプレゼントしてくれたのよ」と説明してくれました。

なるほど〜、わざわざマリアッチを家まで連れてきて、演奏させたんですね。とってもステキなプレゼント。

このように、メキシコ人カップルはとてもロマンチック。クリスマス、バレンタイン、誕生日、出会った記念日、付き合い始めた記念日と、始終男性が女性に何かプレゼントしています。

何故か風船がプレゼントに人気なようで、待ち合わせスポットになっている中央広場には、常に風船売りがたむろしています。

また、母の日はこちらでは一大イベントで、男性は母親のみならず、結婚していれば奥さんに、していなくても恋人に、何かしら贈り物をするのが慣わしのよう。先日の母の日には、大きなケーキをぶら下げて家路を急ぐ男性を何人か見かけました。

こんなに年中贈り物をしていたら、懐具合が大変に違いありません。くだんのマリアッチを連れてきた男性に、「マリアッチ高かったでしょ」とこっそり聞いてみたら、「しばらく水だけ飲んで暮らすよ」と苦笑いしていました。

外国人男性がメキシコで恋人を作ろうと思ったら、これくらいは覚悟しておかないといけない、という話でした。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。