メキシコってどんな所?
そまちひろさんが1ヶ月滞在したメキシコを紹介します。

メキシコの治安について、本当のところ

2016/02/03

日本の友達に、「今メキシコに住んでいる」と言うと、十中八九「え〜危なくないの?」と聞かれます。マフィアと銃器と薬物が横行している、というイメージのせいでしょう。実はわたしも、メキシコに来るまでは似たようなイメージを持って、初めは昼間に1人で歩くときも緊張していました。

確かに注意を払っておくに越したことはないのですが、メキシコはいくつもの州が集まってできている広大な国。州ごとに文化も風土も人種さえも違うので、「メキシコは治安が悪い」と一概には言えません。

例えば、リゾート地のカンクンで有名なユカタン半島のキンタナ・ルー州は、メキシコの中でも安全な地域として有名。莫大なツーリストマネーのおかげでリッチな州として知られており、結果人々の生活への不満が少ない→犯罪が少ない、セキュリティにもお金をかけられる、といういい循環が出来上がっているようです。

また、首都メキシコシティは、2500万人もの人が暮らすメトロポリス。20年ほど前まではラテンアメリカの中でもかなり危険な首都として知られていましたが、10年ほど前にマフィアなどの闇組織の一掃があり、ずいぶん安全な街になったとのこと。

また、現在わたしが暮らしているオアハカ州は、国内外からの観光客が多いため、観光客の安全に力を入れており、昼夜とわず警察があちこちで警備しています。市中心部の人通りの多いところであれば、女性が一人歩きしても問題ありません。

しかしこれらの安全な州にも、「よそ者が立ち入らない方がいい」という危険な地域もあります。そういったところにうっかり入ってしまって、かばんをひったくられた人の話を聞きました。

また、わたしは行ったことがないのですが、アメリカ国境に近い北部の州は、中米全域からアメリカに不法越境しようとする人々が集まり、彼らを狙ったマフィアが横行していて、非常に危険と聞きます。

州によって、別の国のように治安状況が変わるメキシコ。そのため、旅行先ではホテルの人などに聞いて、どこが危ない地区なのかを事前に把握しておき、近寄らないようにすることが重要です。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。