メキシコってどんな所?
そまちひろさんが1ヶ月滞在したメキシコを紹介します。

メキシコの夜に、耳栓は必須!

2016/04/15

メキシコ人はとにかくパーティ好き。週末はもちろん、平日の夜もバーに繰り出して遅くまでおしゃべりしたり、自宅に友達を呼んでホームパーティをしています。

メキシコに住み始めて間もないころ、友人宅にホームパーティに行くと、ご近所さんと共有の中庭でガンガン音楽をかけて夜遅くまで騒ぐので、いつ「うるさい!」と怒鳴り込まれるかヒヤヒヤしたものです。でも、メキシコ人の友人は一切気にしている様子がありません。

どうもメキシコでは、好きなときに好きなだけ騒音を立ててもいいような風潮が見られます。良く言えば「音」に対する寛容性が高いわけです。そこでみんなお互いさまと思って、文句を言い合ったりすることがないのです。

そんなわけで、音に対してとても敏感な日本の住宅街に住んでいた頃からは考えられないくらい、騒音を気にしなくなりました。それこそ郷に入れば…という考え方で、いちいち目くじらを立てていたら身がもちません。

以前住んでいたアパートは大きな中庭があり、若いメキシコ人の隣人たちがしょっちゅうパーティを開いていました。わたしもたまに参加していたので、うるさくてもお互い様ということでスルーしていたのですが、ある日階上に住む年配のアメリカ人男性が、もう限界、といった剣幕で大家さんに電話をかけたらしいのです。

隣人のひとりは大家さんからお叱りを受けていましたが、「うるさかったならうるさかったでしょうがない、別に気にしてないよ」とどこ吹く風でした。他の隣人も「わざわざ大家に電話するなんて、白けるなあ」とアメリカ人男性に文句を言っていました。騒音について文句を言った人が悪者になるなんて、なんだか理不尽な気もしますが、これがメキシコ流なのだから仕方ありません。

そんなわけで、メキシコの夜、パーティに出かけず眠りたいのであれば、耳栓は必須です。特に繁華街にあるホテルに泊まる場合、近くのレストランやバーから大音量が洩れてくる可能性大です。

耳栓で自衛、それでも駄目なら諦める。ホテルの人に「うるさいから何とかしてくれ」なんて詰め寄らないでくださいね。メキシコでは、日本の常識は通用しないのですから。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。