小説の書き方
「週刊小説」(現在廃刊)のショートストーリー賞に入賞したことのあるMUMUさんの小説の書き方・体験記を紹介します。

私にとって小説とは

2012/10/09

事実は小説より奇なり

「事実は小説より奇なり」という諺があります。私も親しくしている人にしか話していないさまざまな経験をしてきました。その経験はブログや小説にも反映させたことがありません。それはほとんどの事が他人が関わっているからです。その人たちを無断でモデルにしてしまうと、その人たちを傷つけてしまう事になると思っているからです。公にしていない経験を小説にしたらおもろしくなるとは思いますが、もし私が知らないあいだにモデルにされていたら、よい気分にはならないとも思います。

ある意味で、小説よりも刺激的でおもしろい人生を歩いてきたように思います。私は経験こそが学びだと思っています。恋愛小説を何千冊と読むよりもいちどの濃厚な恋愛を経験するほうが、恋愛を体感できると思います。ですので、私は折に触れて、小説や映画、テレビなどをみて人生を学び、人間を学ぼうとは思わないと述べてきました。社会から隔離されたような場所ではどうかわかりませんが、誰でも普通に生きていれば、さまざまな経験をしていきます。そうして否が応でも人生や人間というものを学んでいくものではないでしょうか。実生活でも毎年のように波瀾万丈で、刺激的な日々を送ってきましたので、退屈な人生だと思ったことなどありません。ですから、小説や映画などでは、どこの家庭や会社でもありそうな物語よりは、SFなどの実生活では体験できそうもないものを読んだり観たりしたいのです。

ですので、私は荒唐無稽な、エンターティメントで楽しめる小説を中心に書いてきましたし、今後もその方針で執筆していこうと思っています。ですが、身内が登場してくるような純文学的な小説もいくつか書いてきました。こうした小説は、ほぼ実話を盛り込んでいます。身内に承諾してもらって書いています。ですから書いていて泣いていることがよくあります。

私にとって小説は娯楽です。読者にひとときだけでも楽しんでもらい、気分転換になってもらえるような小説を書きたいのです。もちろん、誰もが経験するような出来事を書いている小説や映画を否定しているわけではありません。私にとって小説を書く事は未来であり希望です。叶うか叶わないかは問題ではありません。小説家として成功したいという夢であり目標が私の希望になっています。私にとって小説とは、私自身です。私の書く作品がどんなに荒唐無稽なものであれ、私の思いや考えが表現されています。

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ライタープロフィール

MUMUさん/男性/年齢:50代/新潟県在住/神社が好きで日本各地をまわっています。趣味でボーカロイドでの音楽作りやギターでオリジナルの歌をつくり、ときどきライブもしています。自分らしく生きることをモットーにしています。