図書館司書の仕事体験記
40歳過ぎて資格を取得し図書館司書で仕事をした体験記を紹介します。

これから図書館司書として仕事をする人へのアドバイス

2011/11/11

インターネットの普及に伴い社会が大きく変化したのと同じで、図書館も大きく変わりました。一番大きな変化は、図書館利用者が、常に携帯電話やパソコンで情報を得ていることです。これまでと違い、図書館司書だけではなく、利用者も同じように、早く広い情報を知り得ているのです。

こうなると図書館は、ただ図書や雑誌を貸し出すだけの、貸本屋になってしまいます。そうならないためには、図書館の個性が重要視されます。

今全国では、絵本図書館があったり、おもちゃ図書館があったり、漫画図書館があったりします。収集する資料の専門性を発揮した図書館も数多くあり、様々な図書館が展開されています。しかしいくら話題性があっても、それは一時期だけにすぎません。

本来図書館というものは、その地域に根ざしたものであるべきで、その土地土地の住民が満足する図書館であれば良いのです。そのためには、まず住民のアンケートをとる必要があります。住民が図書館に何を期待して、どんな図書や雑誌を希望しているのかを知る必要があるのです。それらを全て知り得た上で、図書館づくりを始めなければなりません。

これまで図書館は、知識や情報を得るところだと考えられてきました。しかし今図書館は、その地域住民のコミュニティ広場であるべきです。ゆったりとした空間を演出して、住民に憩いのひとときを楽しんでもらう、それが現在の図書館の役割だと思います。それは一昔前の隣近所の付き合いのようで、今は誰もがそんな安らぎを求めて図書館へやってくるのです。

知識や情報を得ることも、勿論大切です。しかし今から図書館司書として仕事をするからには、どんな図書館をつくるという明確なビジョンを持つことが必要です。

まずははっきりとした図書館像を描いて、その中に配架する図書や雑誌などを決定していかなければなりません。静かで勉強ばかりしていた従来の図書館から脱却して、大きなコミュニティ広場としての図書館を、是非目指して下さい。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。