- 図書館司書の仕事体験記
- 40歳過ぎて資格を取得し図書館司書で仕事をした体験記を紹介します。
実際に働いてみて驚いたこと
2011/10/31
利用者の視点から見た図書館司書の仕事は、カウンター業務でした。それしか見えないというのが、その大きな理由でした。しかし実際、図書館司書になってみて、カウンター以外の仕事の多さに驚きました。それは予想をはるかに超えていました。
まず初めは、図書や雑誌の選定です。その図書館独自の収集や、その町の住民に合ったものを選び出します。これは予算の有効活用という面において重要な仕事でした。新刊書のほかにも、自費出版や郷土資料というものがあり、常に情報収集をし続けることも大切でした。
そして次に、それらのデータをサーバーに入力し、ラベルやコーティングをします。それが終わった段階で、ようやく1冊の図書や雑誌として成立し、利用者に貸し出すことが可能になりました。
図書や雑誌を書棚に並べる仕事は、とても重要でした。図書十進法という分類通りに並べられているからこそ、すぐさま目的の図書を取り出すことができるのでした。どんなに忙しくとも、どれほど大量にあっても、1冊1冊を丁寧に所定の位置に並べなければいけません。
利用者からリクエスト(予約)があると、新刊であれば購入し、既刊であれば日本国中の図書館から借り入れなければなりませんでした。新刊は発注するだけで済みましたが、既刊の借入作業は大変でした。他館から借り入れた大切な図書を利用者が紛失したりすると、弁償のしようがありませんでした。
またベストセラー本などは、何百人からリクエストがありました。数十冊買い入れても何ヵ月待ちの状態で、利用者から苦情の連続でした。
図書館内でのマナーについては、とても驚いたことがあります。それはごく一部の人たちなのですが、男性ならば喫煙、女性や学生は飴玉やガムでした。指定の場所でお願いしますと頼んでも、なかなかそれを守ってはくれませんでした。
平気で道具を並べて化粧し続ける女子高生や、下半身を露出してマスターベーションをする男性もいました。数十万円も入ったバッグを置き忘れたとか、車を盗まれたという連絡など、まるで交番のようなその内容に、私はとても驚くと同時に対応に苦慮しました。
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キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。