図書館司書の仕事体験記
40歳過ぎて資格を取得し図書館司書で仕事をした体験記を紹介します。

図書館司書はどんな仕事をするのか

2011/10/27

図書館の利用者だったころ、私は図書館司書の仕事はカウンター業務だけだと思っていました。利用者の視点からは、それしか見えなかったのです。しかし図書館司書になって、カウンター業務が図書館司書の仕事のほんの一部にすぎないことを知りました。

図書館司書の仕事は、まず図書や雑誌を選定することから始まります。図書館によって、独自の図書や雑誌を収集している場合があるからです。

例えば戦争に関するものを全て収集している図書館や、美術に関する図書や雑誌を優先的に収集している図書館があります。原子力に関連する書物が充実している図書館であれば、日本中の利用者から、それらの図書貸出依頼が殺到することになります。一般的な図書館であるか、独自の特色を打ち出している図書館であるかによって、選定する図書や雑誌は大きく変わってきます。

またその図書館が立地する土地柄や産業によっても、選定する図書は変わってきます。自然豊かな町であれば、自然に関する図書や雑誌。自動車産業が盛んであれば、自動車に関する図書や雑誌を優先して収集します。

その町々の住民によっても好みが違う場合が多々ありますので、アンケートなどをとって、それらを充分に把握したうえで図書や雑誌の選定をしなければなりません。

そして図書や雑誌が入荷したら、今度は1冊1冊のデータをサーバーへ入力します。分類シールなどを貼ってコーティングをします。それらが全て終わると、ようやく図書や雑誌を書棚に並べることになります。

新刊が書棚に並ぶときは、どこの図書館でも利用者が大勢集まってきます。必ず公表した曜日・時間に、新刊棚に並べます。

図書館内にある図書を予約したり、利用者が希望する図書を新規に購入したりするのも図書館司書の仕事です。できるだけ早く、希望する図書を利用者に届けなければなりません。

またインターネットが普及した今、ほかの図書館の図書を借りることも大切な業務です。利用者からの希望があれば北海道から沖縄まで、あらゆる図書館から借入をします。また反対に申し込みがあれば、日本全国の図書館へ貸出もします。

利用者の質問に答える参考業務(レファレンス)も重要な仕事です。そしてそれら全ての窓口となるのがカウンター業務です。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。