歌手の舞台裏
「歌手の出演はどうやって頼む?」「歌手のお出迎えは?」「歌手のリハーサルとは?」「歌手のわがままに四苦八苦?」など歌手の舞台裏を紹介します。

歌手と懇意になると超ラッキー?

2014/03/20

歌手とプライベートで懇意になると、様々なメリットがありデメリットもあります。私の場合は、日本作曲家協会会員 日本芸能事業者団体会員で信頼関係が簡単でした。

歌手と懇意になったメリットは、公演後に歌手とプライベートで飲みに行ける。公演の打ち上げ後、歌手とマネージャーと私の三人で飲みに出かける事があります。気取った場所ではなく、私の馴染みにしている小料理屋や屋台にも連れて行きます。特に人気のあったお店は、地元久留米市の小料理屋「末広」でした。

末広は、頑固者の親父と気さくな女将の二人で切り盛りしている小さなお店です。親父は日本酒が好きで、末広というラベルの地酒を発注しています。毎年蔵開きに赴き、新酒の利き酒にも参加しています。店内は落ち着いた雰囲気で一見さんは滅多に来ない隠れ家的なお店で、主人は古物商の免許を持ち、趣のある器やぐい飲みで料理と酒を楽しむ事ができます。客層は、野球選手・競輪選手・クラシック演奏家・邦楽演奏家・舞踊家・住職・画家などまるで新宿のゴールデン街のような常連さんばかりです。

時々歌手から「福岡で公演があってねえ、今末広、直ぐに来る?」と連絡があります。福岡や佐賀から1時間ほどですから、お忍びでやってくるのですね。歌手は地方で馴染みの店ができると必ず来訪します。

久留米はとんこつラーメン発祥の地で、日本一焼き鳥屋が密集している事でも有名です。駅前のメインストリートには屋台が建ち並び、自宅近くの公園にも屋台があります。歌手をよく連れて行くのは屋台「武しゃん」です。武さんが訛って武しゃんになります。

大柄でサッパリした気性の大将と気さくな女将さんの二人で運営しています。大概の歌手はとんこつラーメンではなく、久留米ちゃんぽんを好んで食べます。コクがあり喉越しの良い白濁スープは、豚骨と骨の髄から生み出されます。野菜が多めでアサリや烏賊、タコ、キクラゲ、カマボコが入りボリューム満点です。歌手の中には、スープと具だけを食べて麺を残す人もいますが、大将はまったく気にしません。

福岡の片田舎の屋台だからこそ、歌手も落ち着けるのかもしれませんが、「久留米の屋台に来ると何故かホッとする暖かさがあるねえ」と好評です。

歌手と懇意になると、結婚式、新曲発表会、○○周年記念パーティー、誕生会に招待されます。各界の著名人とも知り合えるメリットもありますが、ご祝儀も結構な金額になります。

地方出身の歌手は、地元と東京の二箇所でセレモニーを行ないます。結婚式のご祝儀は50万から100万が相場で、親密関係により違いがあります。○○周年記念パーティーなどは、パーティー券が殆どで5万か10万のディナーショウです。しかし、楽曲を提供している作曲家や作詞家は数百万単位のご祝儀を渡します。

芸能界の祝儀は一般よりも桁がひとつ違いますが、回りまわって帰ってきます。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。