歌手の舞台裏
「歌手の出演はどうやって頼む?」「歌手のお出迎えは?」「歌手のリハーサルとは?」「歌手のわがままに四苦八苦?」など歌手の舞台裏を紹介します。

歌手は打ち上げに付き合ってくれる?

2014/03/12

ボランティアで参加したスタッフやチケットの販売に協力した後援者の楽しみは、何といっても公演後の打ち上げです。打ち上げに顔を出してくれる歌手もいれば、宿泊先に引きこもってしまう歌手もいます。私の場合は事前にスケジュールを聞き、打ち上げに顔を出せるか確認しておきます。

歌手のスケジュールが忙しい場合は、ステージ上で全員の記念写真を撮り後で配布します。後援者の場合は楽屋に案内し、歌手と一緒に記念写真を撮る事ができます。当然歌手の顔色を伺い、あまり疲労感がある場合は遠慮します。

私は元々何の人脈もなく興行を始めましたので、後援者やボランティアを大切にします。毎回打ち上げを行ない、後援者とボランティアの代表は2次会3次会にも参加します。

今までで一番心に残っている打ち上げは、内田あかりさんと細川たかしさんです。私がピアノの弾き語りをしているクラブのオーナーは、元第一プロの歌手で宮本哲成です。当時は、哲ちゃん→しんさん→新沼けんさん→細川さん→千さん→あかり姉さんととても中の良い関係でした。

あかり姉さんは、何度もディナーショウで使わせていただき、一緒にゴルフも楽しんでます。興行師と歌手がプライベートで気心を通わせると、打ち上げにも参加し協力してくれます。スタッフと後援者20名ほどで居酒屋の二階を貸切った時も快く参加してくれ、内田あかりさんのお姉さんが何曲も歌ってくれました。その後、後援者と一緒にクラブの閉店時間まで飲み明かしました。

細川たかしさんは「矢切の渡し」でヒットの兆しが見えはじめ、歌手活動で最大のチャンスを迎えている時期です。打ち上げでは、色紙に10円を入れた熨斗袋を貼り付け無料で配っています。当時の有線リクエストが10円で、リクエストの仕方も書かれていました。打ち上げの会場でも歌ってくれますが、お店のスタッフや主人にも挨拶し売り込みます。更に、まったく関係ない宴席にも顔をだし歌ってしまうほど、矢切の渡しに賭けていたのです。

後援者に「地元のクラブやキャバレーで3曲ほど歌えないか?」と持ちかけ、打ち上げの途中からキャンペーンを始めるほどの意気込みがありました。しかし、細川たかしさんは「矢切の渡し」の大ヒットで第25回日本レコード大賞を受賞し、一気にギャラが上がってしまい、その後一度も呼ぶことがありませんでした。

嬉しさ半分、ため息半分ですねえ・・・

関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。