整体師の仕事体験記
「整体師の仕事について」「実際に働いてみて思ったこと」「報酬について」など整体の仕事に関する体験談を紹介します。

実際に働いてみて驚いたこと

2012/07/06

どのような仕事でも、実際に働いてみて驚くことはけっこうあるものです。そして、それは整体師のような仕事でも同じことです。当初、整体師として治療院を開業したものの、患者さんはいっこうに来ず、仕方なく読書と大工仕事ばかりしていた私でした。しかし、それも2ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎるころになると、徐々にですが私の治療院にも患者さんが来るようになり、半年、1年を過ぎる頃にはけっこう忙しい日々ともなってきました。そして、それらの患者さんの中でも、私の治療院の固定客となってくれた方の中には、いわゆる施術される側のプロがいく人もおられたのでした。

私ども整体師は施術する側のプロです。そして、施術される側のプロとは、あちこちの治療院で整体の施術やマッサージやハリ、灸などにかかり、それらの体験を通して、施術している整体師の腕前などを、一発で見抜いてしまう患者さんの事を言うのです。こうした方々は、ハッキリ言ってコワイ患者さんです。整体師である私たちの経験度や腕前の熟、未熟などを判定されたり、他の治療院の方と比較されたりするのはとても嫌なものです。しかし、逆に、こうした施術される側のプロの方々と仲良くなると、コワイ反面、すごく良いこともいっぱいあって、時として驚かされることもあるのです。

開業当初、私は整体師といっても、まだ30代半ばの青年層をちょっと脱したぐらいの年齢でした。それに対して、施術される側のプロの方々は男性でも女性でも50代や60代のご年配の方々ばかりなのです。そんなことで、こちらを"先生"とは言ってくれるものの、実際は子供扱いされてしまうことが多いのです。しかし、だからこそ、非常に可愛がってくれることもけっこうあるのです。例えば、あちこちの治療院に出入りしている経験から、治療器具などの配置やベッドの位置の良し悪しなどを教えてくれ、治療室に飾ってほしいと絵画なども貰ったこともあります。

さらには、他の治療院で体験されたという、ご自分が気に入った施術の方法なども、患者さんでありながら、ご自分の体を通して教えてくれることさえあるのです。そうした際に驚かされるのは、整体師の養成所などで勉強してきたこと以外にも、様々な施術の方法があるものだということと、そうしたことを患者さんたちが実によくご存じであるということなのです。そんな場合、こちらに対して"先生"などと呼んでくれはするものの、実際の先生は、間違いなくそんな患者さんたちの方なのです。

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ライタープロフィール

ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ