- 整体師の仕事体験記
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整体師としての開業初日、患者さんはゼロ!
2012/07/03
整体師としてなんとか夢にまで見た開業へと漕ぎ着けたものの、開業初日の患者さんはゼロでした。しかも患者さんがゼロなのは、なにも初日だけではありませんでした。しばらくの間は開店休業状態で、気分的にも暗澹たる日々が続いていたのを覚えております。私の場合、開業したからといって、とくにお祝に駆けつけてくれるような人もおらず、一人悶々としながらシンと静まりかえった治療室で、ただ患者さんが来るのをポツンと待つしかなかったのです。しかし、そんな状態でも、治療院としてやっている以上、やはり整体師として治療室には居なければなりません。
整体であろうが別の何かのショップであろうが、そこに客が居ないというのは寂しいものです。いかに駅前の広場にデカデカと看板を出し、新聞などの折り込み広告をしたとしても、来ないものは来ないのです。一国一城の主とはいっても、これでは形無しです。しかし、そこは、物は考えようです。確かに、患者さんが来なければ、おカネもいつか底をついて閉じるしかありませんが、逆にこの膨大に空いた時間を有効に使うことはいくらでも出来る筈です。そう思った私は、夜、店を出ると、車で20分ほどのところにあった古本屋へと向かいました。そして、様々な書物を大量に買い漁ったのでした。
さて、面白いもので古本屋さんというのは、いわゆる世界の文学などという本はいたってお安いのです。1冊100円で箱入りのけっこうな書物が手に入るのです。私はこの際、腹を決めるつもりで、面白そうなものを大量に買い、昼間、患者さんが来ない間は、すべて読書に当てることにしたのです。ところで、大量に本を仕入れた私は、今度は本をしまっておく本箱が無いことに気づき、近くにあったホームセンターで板材を購入し本箱をつくることにしました。
ところが、大工仕事などをしているとそれが面白くなってしまい、ふと気づけば、治療室の中の様々なものを自分で作るようになっていました。整体師にもかかわらず、本来は人の体に施術を施しているはずにもかかわらず、開業初日から客のまったく無かった私は、本を読み漁ったり、大工仕事に専念したり、そんなことばかりやっていたのです。私の治療院に患者さんが初めてきたのは、開業してから半月ほど過ぎてからでした。それから、早いもので10年以上、そこで整体師として仕事をさせていただきました。
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ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ