ドイツってどんな所?
ベルリン在住のMIKIさんがドイツについて紹介します。

アートスタジオになった政治犯収容所

2013/10/07

ゲンスラー・シュトラーセにある政治犯収容所は現在一般公開されています。中心地Alexanderplatzから30分はかかりますが、歴史的にも重要な建物なので観光名所となっています。静かな住宅街に観光バスが何台も止まっているのはなんだか変な光景です。

収容所の敷地の一画にある別のビルは、現在アーティストスタジオ(アトリエ)になっています。一階の一部は収容所ツアーのインフォメーションセンターや展示ルームですが、その他の部屋はアーティストが制作出来るスタジオスペースとして貸し出しています。

部屋のサイズは大小様々なので、机ひとつで作業出来るメディア系のアーティストから、大規模な彫刻やインスタレーションが専門のアーティストまでいます。共同のシャワールーム付きなので泊まり込みの制作もできます。ただし住むのは禁止のようです。室内に水道が付いている部屋もあるので、アーティストの中には住み着いている人もいるようですが、基本的には禁止です。

各部屋はスタジオ用に多少改装されていますが、外観や廊下は当時のままです。囚人が実際に生活していたのはこの建物ではないのですが、敷地内の建物全体からは物悲しさが漂って来ます。

東ベルリンにはこういった東ドイツ時代の建物で、今では使われなくなってしまったものが数多く残っています。このアートスタジオのように再利用されているものはまれで、ほとんどの建物は放置されています。たとえ街の中心であれ、ツーリストが訪れるエリアであれ、取り壊されることも、再利用されることもないまま残されているのが不思議です。

スタジオスペースは一般に公開されていませんが、政治犯収容所はガイド付きのツアーがあり建物内を見学できます。秘密警察シュタージや東ドイツ時代に興味がある方はぜひどうぞ。StraBenbahn GenslerstraBeから歩いて10分程度。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。