ドイツってどんな所?
ベルリン在住のMIKIさんがドイツについて紹介します。

ドイツのシュタイナー教育

2013/08/12

ドイツに在住していながら、私は長い間「シュタイナー教育」を知りませんでした。友人と共にシュタイナー幼稚園を訪れたのをきっかけに、それについて詳しく知ることになりました。

現代の日本の教育といえば詰め込み式で、受験のプレッシャーもある子供達は常にストレスを抱えています。私はあまり学校に良い思い出がなく、他の国の教育に前々から興味がありました。そんな中訪れたシュタイナー幼稚園は私の教育へのイメージを塗り替えてくれました。

シュタイナー教育はオーストリアの思想家であるルドルフ・シュタイナーがはじめた教育思想です。北ヨーロッパやアメリカなどで人気があります。特にドイツのベルリンはシュタイナーが活動していた場所でもあり、今でも積極的にシュタイナー教育を行っています。

子供の感覚を大事にするシュタイナー教育では、子供を採点方式で評価することはありません。授業も教科書は与えず、実践的な能力より感覚や感受性を豊かにすることを目指しています。幼稚園では木製のおもちゃなどで遊ばせ絵を描かせます。その後は高等教育レベルまで教科書やノートを一切使わせずに授業を行います。

シュタイナーの教育思想は厳格で、社会的ではありません。またシュタイナーが教育者というよりは思想家にすぎなかったことからシュタイナー教育に抵抗する人々が多く存在します。この教育法はマテリアルや実績を重視する現代に合っていないというか、逆に少し未来的すぎるのかもしれません。「大事な子供の将来にも関わってくるので、実験的にシュタイナー教育を受けさせるのはちょっと..。」と思う親心も理解出来ます。

現代の社会では何でもサクサク進むように改良されシステムの効率化ばかりを考えますが、人間の成長のプロセスを端折ることはできません。シュタイナー教育は社会で使える人材を育てる教育ではなく、人間として必要なものを養わせる教育なのでしょう。

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ライタープロフィール

MIKIさん/女性/年齢:20代/ベルリン在住/海外旅行が趣味で南国に語学留学をしました。世界各地に滞在しアーティスト、ライターとして活動しています。