40歳過ぎてから図書館司書の資格取得
40歳過ぎて通信制大学へ通い図書館司書の資格を取得した体験記

通信制大学に足りないもの

2011/10/16

通信制の大学は、とても良いと思います。通学制に比べて安価で、自分のペースで勉強ができます。しかし一つだけ、足りないと思うものがあります。それが学友です。

通信制大学に入学して、私は自分の時間に合わせて勉強をしました。理解できないことがあれば、休日に図書館へ出向いて調べました。レポートを次々に書いて提出しました。それはかなりの確率で合格をして、優や良の評価を頂いて合格しました。

しかしあるとき、2回3回とレポートを提出しても不合格の教科がありました。それは保健体育で、自分ではあまり力の入らない教科でした。

とはいっても、この教科も合格しなければ卒業はできません。焦りに焦って私は保健体育の勉強に集中しました。しかし4度目のレポートも、また不合格でした。私はもうどうしていいか分からなくなって、勉強をする気も失せてしまいました。

そんなとき、郵便ポストに1通の葉書が入りました。それは同県人で作る、大学の学習会からの案内でした。あまり気乗りはしなかったのですが、私は参加してみました。

そこには様々な職業を持った、様々な年齢の人たちがいました。どの人も通信制の大学で頑張っている人ばかりでした。会議が終わり、会長をしている男性が、私に「何か困ったことはありませんか?」と話しかけてきました。

私は一瞬、躊躇したのですが、保健体育のレポートのことを話しました。するとそこに居合わせた全員が、「そうそう」というふうに頷いたのです。私はレポートを5回提出したとか、私は8回目でようやく合格したのだと言い始めました。

それまで少し恥ずかしく思っていた私は、とても気が楽になりました。詳しく話を聞いてみると、その教授のレポートに合格するには、あることを必ず書き込まなければならないのだということでした。

「僕のレポートをお貸しします」会長をしていた男性がいいました。ちょうど今持っていますからとバッグから取り出して、テーブルの上に広げました。それからひとしきり、そのレポートの話をしました。そして私は、5回目のレポート提出で、保健体育の教科を合格することができました。

通信制の大学には、自分のペースで勉強ができるというプラス面と、あらゆる点に於いて一人だというマイナス面があります。可能な限り、学友のいる学習会に参加することが、挫折しない勉強法だと思います。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。