ホテルのロビーピアニスト体験記
プロミュージシャンへの道のり、ピアノ弾き語りの魅力、ホテルのロビーピアニストとは、東南アジアへ演奏旅行について紹介します。

東南アジアへ演奏旅行 韓国編

2012/12/18

韓国の釜山とソウルに2回、累計で2年近く演奏旅行に行っていました。釜山では風光明媚な海雲台にあるカジノホテル、ソウルでは旅行客が集まる明洞ホテルです。

釜山は港が多く、たくさんの貨物船や漁船が係留されて、漁師の町だなあと感じました。新鮮な魚介類を扱う行商のおばさんが行きかい、魚屋と料理店が建ち並んでいます。魚介類は日本とあまり変りませんが、料理の出し方が違います。はじめに、並べてある魚介類や水槽から食材を選んで料金を支払います。次に、食材をお店に持ち込んで、刺身、焼く、煮る、揚げるなど指定して料理します。

釜山に来てはじめて経験した料理は「タコの踊り食い」でした。甘エビや白ウオの踊り食いは食べた事がありますが、タコは初めてでした。ぶつ切りにしたタコをお皿に乗せただけの料理が、テーブルに運ばれてきました。足が勝手に動き回り、非常に奇怪で気色悪い料理です。何事も経験と思い、一切れ口の中に入れたら、吸盤が張り付いてモゾモゾ動いています。私は思わず首を横に振り、しかめっ面をしてタコを剥がしました。「現地の人は食べるのか?」と聞いたら、観光客用だと笑っていました。

釜山のホテルでは、朝と昼、そして夜にラウンジでピアノを弾きます。ホテルの施設は全て無料で利用でき、セミスイートを与えられたビップ待遇です。いつもタキシードを着ているので、すっかり有名になってしまいました。サウナに行けば「サービス、サービス」と言ってマッサージをしてくれます。プールサイドでは、私専用のデッキと灰皿、そしてドリンクがセットされます。

ラウンジの休憩時間は、カウンターに座っていると韓国ビールと御つまみが出てきます。女性のバーテンダーからハングル語を教えてもらい、少しずつ会話が出来るようになりました。ハングル語にも男言葉と女言葉があり、目上の人には敬語を使用します。私は女性から教えてもらったので、オカマ言葉になってしまいました。

夜の楽しみは、ゴージャスなフインキとステイタスを楽しめるカジノです。ピアノの仕事は夜の10時に終了しますが、カジノは24時間営業なのです。カジノは、ルーレット、バカラ、ブラックジャックがメインで、レート事に分けられています。私は韓国にくるまでカジノの経験はありませんでした。一番簡単なルーレットから初めてみました。はじめは赤と黒を当てるだけの超初心者コースで、当たると掛け金が2倍になります。確立は半分ですが、勝ったり負けたりで余り面白くありません。

カウンターに戻るとスタッフがメモをくれました。赤と黒のマークが印刷され、チェックを入れて予想する為に使用します。言われた通りにチェックを入れていくと、同じようなパターンが判ってきます。なるほど!カジノは遊びと思っていましたが、確率のギャンブルなんですねえ。

次にルーレット全体のメモを見せてくれました。盤面を4分割してみると、4分の1の数字並びが判ります。其々の数字を全て書き出し、ルーレットに印をつけると覚えやすい形になっていきます。なるほど!4分の1に予想をつけてコインを置く形を覚えておくとルーレットを回した後でも、素早く賭ける事ができるのです。

ロビーピアニストの契約は1年間ですが、韓国での1年はあっと言う間に過ぎてしまいました。ギャンブルで使った金額は、契約金額の半分近くになります。

あははは・・でも楽しかった!

関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。