歌手のキャンペーン舞台裏
「歌手のキャンペーンは日本だけ?」「歌手のキャンペーンはノーギャラ?」「歌手のキャンペーンは呼んだら来てくれる?」「メリットは?」「デメリットは?」など歌手のキャンペーン舞台裏を紹介します。

キャンペーンでヒットした歌手の恩返しとは?

2014/01/23

キャンペーンをサポートしても金銭的な見返りは一切ありませんし、逆に送迎や休憩時の飲食代などを負担する事があります。歌手はノーギャラですが、CD1枚の販売に対して歌唱印税が入ります。歌唱印税は新人で0.5円から1円、ベテラン歌手で10円から20円とかなりの開きがあり、レコード会社によっては手売りのマージンが上乗せされる事もあります。

一般的にCD1枚売って10円に満たない収入ですから、キャンペーンで生活はできません。キャンペーンはヒットに結びつける為のコマーシャル行動なのです。それなら、キャンペーンをサポートする事務所に一体どのようなメリットが有るのでしょうか?

売れる前の歌手はギャラが5万円前後になりますが、1曲ヒットして有名になると一気に50万から数百万にアップしてしまいます。事務所はキャンペーンで手ごたえを感じ、すぐヒットすると感じたら公演の予約を入れます。つまり、現在5万のギャラで半年先の出演契約しておくと、ヒットした後に数十倍のギャラでスポンサーに提供できます。

素晴らしいギター演奏と歌でステージを魅了した弦哲也さんの当初ギャラが5万でしたが、作曲で売れ出すと一気に1ステージ30万になりました。山本譲二さんの「みちのくひとり旅」がヒットする前は乗り金込みで10万でしたが、ヒットの兆しを感じ直ぐに半年先の出演契約をしました。半年後はギャラが100万になっていましたが、10万で済みました。

小林幸子の「おもいで酒」がヒットする前のギャラは1ステージ5万ですが、ヒット後は一気に200万に跳ね上がりました。キャンペーンをしていると、歌手のギャラ(株)がいつ頃上がるか良く判るのです。これも、歌手の恩返しだと思っています。

キャンペーンをサポートした歌手が売れると、スケジュールを任せられる場合があります。私の場合は、九州一円のスケジュールを任されました。つまり、九州で歌手を呼ぶ場合は、全て私の事務所を通さなければなりません。これは、小売業から卸し業に変った位のインパクトがあり、業績が急上昇します。自宅兼事務所から駅前の一等地に事務所を移し、各県に支部を設置するまで拡大しました。

キャンペーンは歌手もサポートする事務所も殆どボランティアですが、1曲ヒットすると歌手も事務所も一気に頂点へ登りつめる事ができます。まさに、キャンペーンは天国と地獄の紙一重であり、みんな命がけなのですね。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。