歌手のキャンペーン舞台裏
「歌手のキャンペーンは日本だけ?」「歌手のキャンペーンはノーギャラ?」「歌手のキャンペーンは呼んだら来てくれる?」「メリットは?」「デメリットは?」など歌手のキャンペーン舞台裏を紹介します。

歌手はキャンペーンでどんなメリットがある?

2014/01/09

歌手がキャンペーンで受けるメリットは、新曲を広めて支援者の数を増やす事です。地道に日本全国を回る事で、歌手としての自覚も生まれてきます。

私がキャンペーンを手伝った歌手は、決して「CDを買ってください」と言いませんでした。しかし、「よろしくお願いします」「がんばります、応援してください」とは言います。CDを販売する事を目的とすれば、リスナーにいやらしい感情が伝わってしまい、買ってもらうのは結果であり、新曲と歌手名を覚えてもらう事が重要なのです。

私の印象が強い歌手に、村田英雄先生最後の弟子「大島優子」がいます。講演会の事務局長が人間的に優れた方で、二人三脚によるキャンペーンでした。

午前中に地元の大分県日田市でキャンペーンを行ない、午後に福岡へきたのですがキャンペーン場所をカラオケ喫茶1ヶ所しか確保できませんでした。しかし、カラオケ喫茶に私が主催する歌謡教室の生徒を動員したので60名以上になりました。

大島優子さんは、歌詞カードを全員に配りキャンペーン曲を熱唱します。そして、その後にワンフレーズずつ歌い方を指導していったのです。まさに、臨時のカラオケ教室になり、私はギターを弾いて伴奏しました。1番が終了するとキャンペーンも終わりかなと思ったら、3番まで教えてくれました。

来場者から3名を選び歌わせ一人一人にアドバイスし、最後に皆で大合唱です。参加者は大満足で、友達の分も合わせ数十枚買い込む方もあり、当日100枚以上売れました。口コミで新曲と支援者の輪が広がり、色々なキャンペーンで出演を依頼するようになりました。

歌手は色々な地域をキャンペーンで回り、改めて日本の美しさと人情に触れる事が出来ます。歌手は常に自分自身の心と葛藤を繰り返し、もう辞めてふるさとに帰ろうか、歌手を引退して他の職業につこうか、自分には才能がないんじゃないか等、様々です。

しかし、歌手に勇気と希望を与えてくれるのがキャンペーンです。冬場に商店街でキャンペーンをしていると、見知らぬお婆ちゃんがマフラーを掛けてくれたり、商店街の人達がお店のお客さんを連れて応援にきたり、時には差し入れもしてくれます。キャンペーンは楽しい事よりも辛い事の方が多く、ヒットの裏には汗と涙が沁みています。悔しさや辛さをバネに飛躍できる歌手は、日本人の持つ人情と暖かさを知っているのですね。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。