整体師の学校体験記
「整体師の学校ではどのようなことを学ぶのか」「認定書を取得する試験について」など整体の学校に関する体験談を紹介します。

先生はどんな人だったのか?

2012/03/14

整体師になるには、整体養成スクールに通う必要があります。ただ最近では、通信講座とか、仕事を持ったサラリーマンの方でも通いやすいように、土日コースなどといったものも用意されているようです。しかし、本当に整体師を目指すのであれば可能な限り普通に通って、講師や他の生徒たちとの接触を図るべきだと思われます。というのも、たしかに、全日制などと違って通信講座ですと、極端と言って良いほど授業料がお安くなりますし、ご自分の都合で学習出来るというメリットがあります。しかし、その一方で、"自分の都合で"というのは、同時に"易きに流される"との例えの通り、続けて行くのが困難なのです。それに、たとえ続いたとしても、直接に指導してもらうのとは違って、我流に流される危険が大変に大きいと言えるのです。そして、それとは多少は違うとは言うものの、土日コースなどというものも実は同じです。

幸いにして、ボクは失業しておりましたので、学校へは毎日通うことが出来ました。先生は、すでに60を過ぎたご年配の男性の方でしたが、さすがに整体の技術講師をするだけあって、いつもハツラツたる姿でボクを含めて8人ほどの生徒を指導しておりました。生徒には、男性ではボクのような30代前半の男性はボク1人で、あとは定年過ぎたようなご年配の方が2人。女性では、若い方が3人といかにも主婦といった方が2人ほどおられました。しかし、ボクたちの先生は、一口でいうと、言葉使いもかなりきつく、その指導も非常に厳しいものでした。相手が男性であろうと女性であろうと、年が上だろうが下だろうが全く関係ありませんでした。あまりに指導がキツク、時として泣きだす女性の方がおられるぐらいなのです。

しかし、そんな時は、今度は優しい口調で、"あんた、これでメシを食っていくんだろ。だったら技術を磨かなきゃ。今しかないよ。お客さんは叱ってはくれないけれども、相手にもされなくなるよ。ガンバレ!"と、これまた一生懸命に励ます先生でした。一言で言うと、整体に限らずどのような技術でも、そんなにカンタンに習得出来るものではないのです。ところが、学校側としては生徒さんにたくさん来て欲しいために、"誰でも"とか、"カンタンに"とか、"速成で整体師になれる"とか、様々なキャチコピーが目につきます。もちろん、ウソではないでしょう。しかし、本当でもありません。技術の習得というものは、技量のしっかりとした方に直接に、怒られ叱られしながら泣く泣く身につけてこそ、はじめて人様からお金を頂ける身分になれるのです。そのことを、ボクたちの先生は教えてくれたのでした。

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ライタープロフィール

ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ