営業職の体験記
「営業職のオモシロさ」「受注を取り逃がした苦い体験」「仕事を円滑に進める社内営業」など、14年間の営業職体験から得た事を紹介します。

営業という仕事の特殊性

2012/08/22

私は、主として学校関係やホテルなどに、水泳プールを設置する営業をしておりました。その経験上でいうと、営業という職種は他のものと違って、かなり特殊な仕事なのではと思っているのです。というのも、会社という組織の中にあって、そこに所属するサラリーマンというのは、通常はその組織を構成する一つの部分的な役割を果たすに過ぎません。しかし、それが営業担当となると話が一変してくるのです。

というのも、営業となると組織云々というよりは、一個の人間が最初から最後まで、一人ですべてに携わるからなのです。つまり、一人の営業担当が仕事を取ってきて最後の集金に至るまで、その流れの中で、すべてにかかわっていくのが営業の仕事だからです。具体的には、仕事を受注すると、社内において資材や職人さんの手配を依頼し、その一方で、円滑に仕事が進められるよう客先とのやり取りをしながら、もし、その途中で何か問題でも起これば、その解決のため社内と客先との間を駆け廻り、ともかく仕事が無事に収まるように奔走しなければなりません。

さらに、物や資材は口をききませんが、客先や職人さん、さらに会社の上司や部下たちは人間であり、また感情の動物でもありますから、ものの言い方からはじまって、態度や振る舞い、さらに、言ったとか言わないとかの行き違いなどが、どうしても発生してしまう場合があるのです。そして、営業を担当している以上は、それらの一つ一つにかかわり、調整しながら、円滑に仕事が流れていくようにしていかねばならないのです。ともあれ、物や資材を動かすのは人であり、また現場で職人さんたちに働いてもらうようにするのも、やはり人なのです。

そして、営業職という仕事の特殊性というのは、そうした人たちにともかく動いてもらわなければ、仕事が収まらず、お金がもらえないということなのです。そんな営業職というのは、けっこうキツイ場面に遭遇することも当然のごとくありますが、そんな場面を乗り切るコツは、実はたったの一つであると思っているのです。それは、どんな事態となっても、それを担当する個人を決して攻撃しないということです。どんな部署のどんな人に対しても、基本的に仲良くしていかねば収まらない仕事が、実は営業という仕事の特殊性というもので、そのためには、仕事上でどこかの誰かを攻撃することは、自分にとって大きなマイナスを作ってしまうことになるからなのです。

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ライタープロフィール

ガクドウさん/男性/年齢:50代/横浜市在住、サラリーマン時代から、文章を書く仕事に携わっていた関係から、現在はライターを職とするようになりました。人からちょっと変っていると言われますが、その分、ちょっと違った角度から物を書くことが出来ると思っております。よろしくお願いします。/ブログ