地方紙の連載体験記
「地方紙の連載で大変だったこと」「失敗談」「どのようなペースで書いたのか?」など地方紙の連載体験記を紹介します。

どんなテーマをよく取り上げていたのか?

2012/01/30

コラムを書くとき私が大切にしていたことは、その時点で一番印象に残っている出来事かどうか、ということでした。自分自身の記憶に強く残っている事柄でなければ、コラムを読んだ人にその内容を伝えることができないと思いました。

といってもそれは目新しい話であるとか、感動的な話であるという意味ではありません。失敗談であっても、微笑ましい情景であっても構わないのです。

そうなるとどうしても自分が一番多く関わった人たちのことを書くようになりました。それは私にとって家族でした。私がコラムを書くときによく取り上げたのは、私と家族との関わりや家族同士の関わりでした。

コラムを書く以上、書き手としては出来るだけ多くの人にその内容を理解して貰いたいものです。例えば書き手の趣味が、陶器などを作る焼き物だったとします。焼き物に関してはとても詳しく、そのことを書きたいと思って書き始めたとします。

しかしつい専門的なことを書いてしまうと、その一字一句が理解できない為に、読者はコラムの全てが分からなくなってしまいます。それはほかのことでも同じで、あまりにも専門的な内容は一部の人にしか読んで貰えないという危険性があります。

しかし家族の話なら、大抵の場合多くの人にも同じような経験があります。夫婦関係、親子関係、兄弟姉妹関係と、例え形は違っても誰にでも様々な思い出があります。それをテーマにしてコラムを書けば、より多くの人に読んで貰えるのではないかと私は思いました。

日常の1コマ1コマを文字に変えて、私は毎月コラムを書きました。どうしても書く必要のある特殊なことは、できるだけ平易に表現して家族全員に読んで貰いました。

全員が理解できるまで何度も書き直して、OKがでるまでは絶対に新聞社に送付しませんでした。まず第一に読んで理解できることをポイントにして、私は自分の家族のことを書き続けました。それは思いのほか好評で、コラムによって私は多くの知り合いに恵まれました。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。