フィリピンでモンキービジネス
資金ゼロから数万円で開業できるスモールビジネス、投資ビジネス、リゾートビジネス、などフィリピンのビジネスについて紹介します。

フィリピンで失敗した人達

2012/12/07

フィリピンでビジネスに失敗した人達から、学ぶことが沢山ありました。家族の問題、親戚の問題、スタッフの問題が先で、ビジネス本来の問題は一番最後なのです。フィリピンでビジネスに失敗した人の共通点はビジネスの経験が本人にも、家族にも無いと言う事です。何の計画性も無く、行動力も無く、知識や情報も無く、あるのはお金だけだったのです。

私の知り合いのMさんは、35歳も歳が離れたフィリピーナと結婚して移住してきました。日本の親族は皆反対しましたが、全財産を処分して移住したのです。嫁さんの実家の隣に土地を買い家を建て始めました。工事中の写真と図面を見せながら楽しそうに話してくれます。

日本で言う棟上の儀式があると言われ参加しました。敷地は300平米で平屋の3LDKです。天井が高く、造りもしっかりしているので「だいぶお金が掛かったでしょう?」と聞いたら「土地と建物で500万ペソ(1000万円)電化製品や家、車などで300万ペソ(600万円)合計で800万ペソくらいだと言います。

私は思わず顔面が蒼白になりました。

シティーから1時間も離れた場所ならば、300平米の土地で7万ペソ(14万円)3LDKの新築費で200万ペソ(400万円)が相場です。家と土地だけで300万ペソを、どこかに抜かれている計算になります。余計な事を口に出せば命が危ないので、Mさんと付き合う事がなくなりました。暫くすると、掲示板に日本食のお店を始めるという書き込みがありました。書き込みを読んでいると、自宅を売り、アパートを借りてお店を出すとの事です。合計800万ペソの土地と家、家財道具と車、合わせて150万ペソで売ったそうです。

BBSの仲間達は、応援する書き込みや励ましの書き込みをしていますが私は傍観していました。20坪ほどの貸し店舗を改装し、調理器具を揃えると、手持ちのお金も少なくなります。オープン当日は、顔だけでも出しておこうと思い訪問しました。寿司、天麩羅、ラーメン、うどん、焼肉、ハンバーグ、お好み焼き等の和食がメインです。しかし、素人の和食は頂けません。基本ができていないばかりか、生焼け生煮えで値段が日本並みに設定されています。わずか数ヶ月で家賃も払えなくなりスタッフや家族が売り上げを持ち出すので、仕入れも出来なくなっていきます。店は人手に渡り、離婚して子供を残し、一人日本に帰っていきました。

このMさんの間違いは、親族の隣に家を建てた事から始まります。土地の購入代金と建築費だけで300万ペソがどこかに消えています。自宅の隣に親族の豪華な家が建っています。電化製品や車も持っています。Mさんは、自分達夫婦の家と親族の家も建てて、電化製品と車も与えた事になります。収入の無い家庭で電気代やガソリンを支払う事はできません。

親族達は自分達の家を守るために、Mさんの自宅と財産を売り払ったのです。和食の店には親族が働き、売り上げを搾取していたのです。Mさんは、帰りの片道切符を知人から借りて帰国しました。親族は収入が無く、5トゥ6という高利貸しから生活資金を借り利息が払えずに、自宅も車も家財道具も全て失ったそうです。

現在は他人の土地にバラックを建てて住んでいますが元に戻っただけの事です。Mさんは全てを失いましたが、自業自得としか言いようがありません。しかし、新しい恋人ができ、もう一度フィリピンを目指しているようです。

老いて若い女性に恋をすると、盲目になるのでしょうか?Mさんの人生に幸あれと祈ります。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。