フィリピンでモンキービジネス
資金ゼロから数万円で開業できるスモールビジネス、投資ビジネス、リゾートビジネス、などフィリピンのビジネスについて紹介します。

フィリピンで予算千円ビジネス

2012/12/02

フィリピンでは、日常生活品を小分けにして販売する文化が主流になっています。フィリピンに進出した大手調味メーカーは、販売不振が長引き撤退を考えたそうです。担当のスタッフが市場調査に出向くとデパートの調味料売り場で売れているのは、1回分に小分けされたパッケージ商品でした。ダウンタウンを調査すると、更にパッケージを小分けして1回分ずつ販売していたのです。

大手メーカーは、フィリピン用に小分けしたパッケージ販売へと切り替え窮地を脱出する事ができました。フィリピンには、シャンプー、リンス、石けん、キャンディー、駄菓子、ジュース、タバコ等露天や行商で販売できる専門の商品があります。この小分け販売が一般庶民の収入を支える重要なビジネスになっています。

予算1000円は500ペソになります。2個1ペソのキャンディー・2枚1ペソのガムならば、200個買っても100ペソです。1個1ペソで200個完売すると200ペソになります。

タバコを売り歩く行商人も多く庶民レベルのタバコで1箱20本入りが20ペソ、マルボロのような銘柄でも1箱35ペソです。2本に1ペソを加算して売りますから、1箱バラ売りして10ペソの利益になります。駅弁売りのような箱に入れて、街中や公園、そして人通りの多い場所で売り歩きます。1日行商しても100ペソほどの収入ですが、家族5人が暮らせます。

知り合いのフィリピン人が「仕事をくれと」言ってきました。彼は小学校も出ていないので、雇うところは何処もありません。香港でメイドをしている姉の仕送りで家族が暮らしていたそうですが、連絡が途絶えたそうです。

フィリピン人は働く必要が無ければ仕事をしません。「なんで働かないのか?」と聞いても「え!家族が働いているから」と答えます。彼にビジネスを遣らせる事はできません。何故ならばお金の計算ができないからです。また、仕入れなど商売のお金と個人のお金の区別がつきません。収入を勝手に使ってしまい、姿を隠してしまう事は判っています。

しかし、どうしても諦めないのでモンキービジネスをさせました。市場でバナナ100本(100ペソ)を買いに行かせ、自宅の前で売らせたのです。バナナは買ってきましたが80本しかありません。「20本足りない」といったら、「判らない」といいます。間違いなくお金を誤魔化しています。家の前にバナナを並べて2本3ペソで売らせました。約3時間で完売し計算させましたが、できないので私がしました。仕入れの80ペソと利益の40ペソで合計120ペソですが、85ペソしかありません。

「お金が足りないけどどうなってるんだ?」と聞いたら「知り合いが後で払う」と買って行ったそうです。売り上げとは関係なく50ペソを払って「貴方にビジネスの素質は無い!」と言い聞かせました。モンキービジネスだけにバナナ話でした。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。