小説の出版体験記
「どのようにして出版に至ったのか」「小説を書いていて大変だったこと」「小説の書き方」など小説の出版体験記を紹介します。

どのようにして出版に至ったのか

2012/01/04

文章を書くとき、どうしても構えてしまうことがあります。例えば読む人に笑われるような稚拙な表現はしないでおこうとして、とても難しい言葉ばかりを羅列してしまうのです。そうするとせっかく感動的なことが書いてあっても、堅苦しいだけの文章になってしまい読み手側に伝わりません。

例えば小学1年生の書いた作文にとても感動するときがあります。小さな子どもが書いたものですから文章はたどたどしく間違いもたくさんあります。それなのに心を動かされて多くの大人たちが涙するのです。

その違いは何かというと、それは子どもたちが持っている素直さです。子どもたちには、この文章を書くと読んだ人にどんなふうに思われるだろうかという先走った気持ちがありません。

伝える文章の基本は、自分の気持ちを隠すことなく素直に書くというとことです。これはどんなことにも当てはまります。例えば私はあの人を愛しているという気持ちなら、割合素直に書けるかもしれません。しかし私はあの人を憎んでいるという気持ちはあまり素直に書き表すことができません。

そんなときどうしても書き手側は、憎んでいる相手への気持ちを半分くらいに抑えて書いてしまいます。しかしそれでは読む人に書き手側の気持ちが正直に伝わりません。だからこの関係を小説にしたときには不自然な内容になってしまいます。

とにかく上手い文章を書こうなどとは思わずに、今の自分の気持ちを包み隠さずそのまま素直に書き出してみましょう。そして本当にそれが書き切れたなら、そのあとで少しずつ手直しをしていきます。

伝える文章を書くときに一番大切なものは書き手側の思いです。しかし幾ら強い思いがあっても、その表現力によって伝わらない場合もあります。

この技術的なものは何度も書いて表現力を養うしか方法がありません。書き終わったらまず自分自身で何度も読み返し、自分以外の身近な人にそれを読んで貰います。気兼ねなくはっきりと悪いところを指摘できる人に読んで貰うことで、格段に文章力が向上します。

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ライタープロフィール

キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。