- 小説の出版体験記
- 「どのようにして出版に至ったのか」「小説を書いていて大変だったこと」「小説の書き方」など小説の出版体験記を紹介します。
はじめて自分の作品が掲載されたときの喜び
2011/12/20
自分の書いた作品が掲載されるというのは何にも代えがたい喜びです。新聞でも雑誌でも、それを読んだ読者の反響がとても楽しみです。
私の場合、初めて作品が掲載されたのは県紙でした。だから余計に周囲の人々の反響が大きかったことを覚えています。近所の人たちが、わざわざ私の家まで作品を読んだと言いにきてくれました。職場では部長にまで呼ばれて、掲載紙を見せられました。同僚にはそんな趣味があったのかと羨ましがられて、私は一躍有名人になったものでした。
結婚して子どもが生まれたとき、私はこのまま人生が終わってしまうのかもしれないという不安に囚われました。子どもを育てることは大事だけれど、自分自身の目標も持ちたいと文章を書き始めました。
私には二十歳までやっていた趣味がありました。それは漫画を描くことで、毎日のようにペンと筆を持って書き込んでいました。しかし小さな子どもが居るところで、ペンやインクは危険だと思いました。そして何気なく読んだ紙面の短編小説の面白さに惹かれて、小説を書き始めたのでした。
読者の方から初めて手紙を頂いたのも、新聞に掲載された作品でした。それは少し範囲の広いブロック紙で、作品の感想を細かに書いた手紙に驚き、まるで自分が作家にでもなったように舞い上がってしまいました。
徐々に全国的な雑誌にもチャレンジするようになり、時どき掲載されるようになりました。遠いところから長い手紙を頂いたりすると、それはもう本当に職業作家にでもなった気分でした。こちらも意気込んで長いお礼の返事を書き感謝の気持ちを送りました。
作品を書くということは、自分の全てを表現するということです。考え方に始まり、好みや思いなど、心の内の全てをその作品の中で文章にします。だからその作品が掲載されたときの喜びは言葉に表せないほど大きく、そしてその作品を読んだ方から感動したという手紙を頂くとたまらない嬉しさが込み上げてきます。
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キイチロウ/男性/50代/福井県在住/ごく普通の仕事をしていて、ごく普通の考え方をする、ごく普通の趣味を持った、ごく普通の外見の人間です。ただ他の人よりも少しだけ、人間ウォッチングに優れていると自分では思っています。