中国で日本語教師体験記
「日本語教師になろうと思った理由」「日本語教師の現状」「日本語教師として大切なこと」「中国の学生について」「日本語教師をしてて困ったこと」など中国で日本語教師体験記を紹介します。

おばさんだったらいいのに、と思っていました。

2013/10/31

中国の大学で日本語教師をしていたとき、私は24、5歳でした。生徒との歳の差は5、6歳あるのですが、私は童顔に見られることと、周りの先生方が比較的年齢が上の先生ばかりだったので、どうも、先生としての威厳がなくて困りました。

生徒から見ると当時の私は自分たちと同じ年代に見えてしまっていたらしく、「先生、私と友達になってくれませんか?」と言うことをよく言われたものです。慕ってくれている、という意味ではすごくうれしいことなのですが、そうは言っても「教師」ですから、成績もつけなければいけませんし、授業中におしゃべりをしていたりすると注意もしなければいけません。少しでも威厳がなければ「先生」と「生徒」という関係は成立しないと思うのです。

生徒には日本語が上達して欲しいですから、誰であれ日本語で話しかけてくれば真摯に話を聞いてあげたいですし、質問にもできるだけ丁寧に答えてあげたいと思うのは当たり前のことですよね。

でも、それをたまに勘違いしてしまう男子生徒なんかもいて、授業が終わったらいつも偶然を装って待っていたり、休みの日に住んでいた寮から出ると外で待っていたり、そういうこともありました。

また、他にも同年代の友達と遊んでいるところに私を呼んで一緒に遊ぼうとしてみたり、ということもありました。

そういう生徒たちに冷たくすることもできず、こういうことがあるたびに、「もっとおばさんだったらよかったのに…」と思っていました(笑)。もちろん、今実際におばさんになってみると「おばさんになんかなりたくない!」、と思うのですが。年齢が上であればしっかりと一線を引いて先生と生徒のいい関係が築けるのにな、と思っていました。

ただ、彼らが社会人となった今となっては、私も威厳を保つ必要がなくなりましたから、連絡を取り合っている生徒とは気を楽に持って付き合えているので、歳が近いことも悪くはなかったのかもしれないな、と今ではそう思えます。

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ライタープロフィール

はなオンマさん/女性/年齢:30代/中国北京在住/中国在住9年目、夫は韓国人で2人の子供の育児中。もはや自分が何人か分からなくなってきている今日この頃。楽しくなれる記事を書いていきたいです。