中国で日本語教師体験記
「日本語教師になろうと思った理由」「日本語教師の現状」「日本語教師として大切なこと」「中国の学生について」「日本語教師をしてて困ったこと」など中国で日本語教師体験記を紹介します。

初めての授業

2013/10/24

私が日本語教師として授業を担当することになったのは、中国のとある大学の日本語学科でした。事前にすでに日本語教師として働いている日本人の先生と連絡をとり、授業内容を聞くと、作文の授業や会話の授業を担当するとのことでした。

日本語教師は、生徒の言語で授業をするかのようなイメージを持たれることも多いのですが、基本的には「直接法」といって、日本語オンリーで授業をすることがほとんどです。

私の担当する授業も日本語のみで授業を行えばいいとのことで、文法などは中国人の先生が担当することになっていました。

そして、教科書も自由に決めてもいいとのことで、本来ならば教科書を日本で購入して、だいたいの授業計画のもとに副教材なども準備していく必要があったのですが、何の経験もない私には、行けば何とかなるだろう、とりあえず日本語をしゃべっておけばいいんでしょ?という無責任な楽観主義しかありませんでした。

そして、中国入りしてから1週間後、生活環境を整えながら授業の準備をしたのですが、想像すれど日本語の授業を自分がすることに実感が持てません。初めての授業は4年生の作文の授業だったのですが、生徒の日本語レベルもよく分からないのでとりあえず自己紹介しておけばいいか、と軽い気持ちで授業に向かいました。

実際の授業では、準備しておいた自己紹介はほんの数分で終了し、生徒たちに自己紹介をさせてもそれも20分程度で終了してしまったのです。それ以外の準備はしていませんでしたから、そこからは本当に慌てました。

日本語をただ話しただけでは生徒は興味を持ってくれませんでした。生徒にも分かりやすい、生徒のレベルに合った的確な日本語を話してやっと生徒は日本語を理解します。そして、全員に向けておもしろい話を1時間近くも話し続けられるほど、私は話が上手いわけでもありません。

その日はとりあえず、とっさに思いついたテーマで作文を書かせて時間をやり過ごしたという感じでしたが、日本語教師として日本語を教えることの難しさをとても感じた初めての授業でした。

関連記事
ライタープロフィール

はなオンマさん/女性/年齢:30代/中国北京在住/中国在住9年目、夫は韓国人で2人の子供の育児中。もはや自分が何人か分からなくなってきている今日この頃。楽しくなれる記事を書いていきたいです。