作曲家の舞台裏
「作曲家と演奏家の違いとは?」「作曲家の創作方法」「作曲家の歌唱指導」「作曲家と作詞家どちらが強い?」「作曲家の七つ道具とは?」など作曲家の舞台裏を紹介します。

作曲にはコンピューターが便利?

2014/06/20

作曲の主流はDTM、つまり「ディスク トップ ミュージック」になりました。シーケンスソフトは進化をかさねて、今では音楽製作だけでなく動画の編集までできます。しかし、進化した分だけ作曲以外のスキルとキャリアを求められるようになりました。

DTMは作曲と編曲専用に開発され、通信カラオケで利用されている音源もMIDIです。現在ではMIDIとWAVを融合し、より生演奏に近い迫力と臨場感を作り出せます。

DTMによる作曲は、楽器が弾けなくても可能となりました。予め循環コードを設定すると伴奏が簡単に出来上がってしまいます。出来上がった伴奏に合わせて鼻歌を収録すれば、メロディーが完成します。

また、最新のDTMでは、完成されたリズムパターンやオブリガートを選び貼り付けるだけ、というコピーペーストで完成するソフトもあります。しかし、音楽的な理論をマスターしていないと自己満足で終わってしまうのです。

私がDTMで作曲する手順をご紹介しましょう。

1、先ず歌詞によるテンポとリズムを選択しますが、大体のイメージで構いません。テンポとリズムを先に設定するには理由があり、テンポによってメロが左右されるからです。つまり、スローにはスローに合ったメロがあり、アップビートにはアップビートのメロがあるのです。

2、キーとトニックコードを設定します。この場合のキーは依頼された歌手のキーに合わせます。トニックコードは歌手のキーに合わせると共に、楽曲のイメージを決定させます。

3、私は歌詞を見ながら即興で1フレーズ歌い、そのままキーボードで打ち込みます。1フレーズとはストーリーの一区切りを表します。1コーラス分の作曲を打ち込んだら、メロからコードを拾っていきます。コードを拾い終わったら楽譜にしてプリントアウトします。

4、メロとコードだけの楽譜が出来上がったら、ベース・ピアノ・ストリングス・管楽器、・ギターカッティング・ソロパートの順に打ち込んでいきます。

5、前奏と1コーラス、そして間奏が出来上がったら、ベースとドラムのバスドラを同期させ、オカズを入れていきます。

6、1コーラスが完璧になるまで修正を繰り返します。何故ならば、1コーラスで修正する場合は修正箇所だけで済みますが、フルコーラスだと、修正した部分を2コーラス3コーラスでも修正しなければなりません。

DTMは便利ですが、私は生のギター・ベース・ピアノを取り入れて人間味をだしています。

関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。