作曲家の舞台裏
「作曲家と演奏家の違いとは?」「作曲家の創作方法」「作曲家の歌唱指導」「作曲家と作詞家どちらが強い?」「作曲家の七つ道具とは?」など作曲家の舞台裏を紹介します。

作曲にはピアノが便利?

2014/06/16

私が訪れた作曲家の自宅には、必ずといっても良いくらいグランドピアノがありました。グランドピアノといっても、一回り小さい小型のグランドピアノですが威厳があります。さすがに作曲家の自宅だなあ・・と溜息を零した記憶があります。

私の自宅にグランドピアノを入れたら、食事するスペースが無くなってしまいます。そこで楽器店に相談したらヤマハのクラビノーバを勧められました。展示品を演奏してみると、タッチはピアノに近く叩かないと音がハッキリでません。ピアノの音色で弾きましたが、生のピアノの音を収録し再生するシステムでした。

音色はアップライトもグランドもかなり満足できます。ただ、音の広がりや奥行きまでは求める事ができません。しかし、一番のメリットは調音する必要が無い事でした。自宅のコーナーにスッキリ収まり、壁に反響して心地良く作曲ができる環境になりました。

生ピアノが理想的ですが、電子ピアノで我慢しなければ成らない場合もあります。一番肝心な事は、ピアノの音色です。音が悪いと作曲のイメージが広がらず、出来映えも違ってくるのです。

ピアノはドの音を子供が弾いても、大人が弾いても同じドの音が出ます。しかし、プロの場合は、悲しいド、怒っているド、優しいド、楽しいド等、弾き分けるのです。つまり、感情を表現でき抑揚が出るピアノが作曲には必要になります。

ピアノで作曲するメリットは、コードを目視で確認できる事です。メロディーの単音が指定したコードのどの指にあるのかが判ります。トニックならば安定し次にどんな音へでも移行できます。サブドミナントならば、次に進む音が限られてきます。ドミナントセブンならば、トニックに戻らなければなりません。

ピアノは理論的に判りやすい特徴があり、ハーモニーをつける作曲にも有効的です。

私は、後にシーケンスソフトへと移行しました。MIDIキーボードを使用し、パソコンの画面を見ながら音を自在に動かす事ができます。結果的に、お世話になったクラビノーバは子供のピアノレッスン用になってしまいました。

関連記事
ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。