ホステス体験記
ホステスの心遣い、会話術、困った人のかわしかたなどホステスの体験記を紹介。

ホステスの「初対面から以後につなげる会話術」

2011/08/12

天気の話題は無難か

初対面で話すのは大変気を使います。いきなり楽しませるのは難しいことです。お客様も自分も、多少酔っている場合は勢いでいきなり盛り上がれますが、しらふだとそういうわけにはいきません。

まず、だいたいのホステスさんは当たり障りのない会話から入ります。今日の天気について、これは会話の入り口として一番使われやすいパターンかと思います。だけども、いつかこんなことがありました。天気について話したホステスさんに、よく飲みに出歩くお客様が「だいたいホステスって、天気から話題をふるよね。あんまりにも無難過ぎないかい?」と突っ込んだのです。それを聞いた時は正直ドキリとしました。それは要するに、何年もホステスを続けてきて、まだそんな会話からしか話ができないの?という意味だったのでしょう。ですので、いつもいろんな引き出しを用意してなきゃいけない。昔からホステスがよく言われることですね。

初対面での会話は素直が一番

まず、初対面ならどんなお仕事をされているか(ズバリ会社名を聞くのは避けます)、それに関する感想を素直に告げると、わりとそこから話が広がっていきます。また、飲んでるお酒がウイスキーなら、普段から好んで飲んでるのか?そこから、他のお酒で好きな物は何か?焼酎でもワインでも、多少知っているなら「私はこの銘柄が好きなんですけど、お客様は?」とか、まったく知らなければ「ワインには全然疎いので、オススメの物などありますか?」と聞けば、たいがいのお客様は気持ち良く色々教えてくれます。そこで素直に頷き驚くだけで、お客様は気分が良くなり、すると自ら気になる話題をふってくれたりします。「いくつ?」とか「昼間働いてるの?」とか。そこからさらに話題が広がっていきます。初対面は緊張しますが、自分が気になったこと(もちろん相手が気分を害するかな?という話題は避けます)を素直に聞いたり話したりすれば、良いのだと思います。素直な女性はどなたにも喜ばれます。

話題についていけないピンチをチャンスに

話題についていけないな〜と思ったら、わからないと告げます。そして、ここからが肝心です。次回、そのお客様がいらした時に備えて、わからなかったことをネットや本などで調べることです。多少理解してから「先日のお話を聞いて、とても興味がわいたので、関連本を読みました。お客様の仰るとおりのことが書かれていて、とてもわかりやすかったです」と伝えてみましょう。それまで以上にお客様は自分に興味を持ってくれます。共通の話題で話したいが為に勉強してくる、その行動こそお客様に好かれるのです。私も以前こういうことがありました。いつもいらしてくれるお客様、私は入りたて、気のきいた言葉が出ない。そのせいで「君は全然ダメだね」と言われ「僕は女性の名前を覚える気がしない」とまで言われていました。とても厳しいお方で非常に苦手でした。その方がある時、落語が大好きだと知り「オススメのお噺はありますか?」と聞いたところ「そんなの自分で調べなさい」と言われたのです。ショックでしたが、即座にテレビや雑誌で情報を得て、次に合った時「私は"まんじゅうこわい"というお噺が面白いと思いました」と伝えたました。するとどうでしょう。「君は偉いな〜。勉強家だ」と褒めてくれ、それからは私のことを名前で呼ぶようになり、他のお客様にも「この子は勉強家なんだよ」と嬉しそうに紹介してくれるのです。その時ばかりは嬉しくて、この商売の楽しさというものを知った気になりました。何より、お客様1人1人に対する思いをしっかり持って接する、それが一番とりこにさせる手段なのだと思います。

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ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。