ホステス体験記
ホステスの心遣い、会話術、困った人のかわしかたなどホステスの体験記を紹介。

ホステスの「仕草と心遣い」

2011/08/10

接客は接触ではありません

相手に好意があるのよという意味で、お客様の膝に手を置くというのがホステスさんが学ぶことです。やはり、その仕草はいつの時代も喜ばれるそう。今でもその仕草にドキッとするというお客様の話を耳にします。ですが私はそれをしたことがありません。何故かというと、昔から言われ過ぎて、逆にわざとらしさを感じるためです。また、あまり体に触れることは余計な期待を抱かせる要因でもあると思います。男性はそれだけで安易に「俺に好意があるのかな。今日落とせるかも?」と思うようで・・・。それは後々面倒なことになります。うまく交わすことができるのなら大丈夫ですが、無理ならやめておいた方が良いでしょう。

仕草で惹きつけるというより、何より笑顔であることが大切です。仕草は二の次です。といっても、姿勢が悪かったり肘をついたり、はたまた足を組んだり、そういうホステスさんは意外に多い。見ていて気分がよくありません。「あなたはお客様なの?」と聞きたくなります。

だからこそ、お着物で勝負

また、衣装も大事な気遣いです。黒は御法度とよく言われますが、最近ではあまり気にせず着ている人も多く見かけます。身体が絞まって見えますが、スナックなど暗めの照明での黒はいかがなものでしょう。やはり、できることなら明るめの色をチョイスした方が華やかさが出て良いでしょう。ですが、同伴の日は控えめにした方が良いと私は思います。いかにも水商売!という色やドレスを着て行けば、周りがジロジロ見ます。それを優越感ととるか、恥ずかしいととるかは相手次第。同伴前にちらっと聞いてみるのも気遣いでしょう。また、ワンピースやドレスにスーツ、どれもデザインや色で印象は変わりますが、一番喜ばれるのは何よりお着物です。以前は敷居が高い、動きづらい、苦しい、などと言っていた私でしたが、ある時、着物限定の宴会でお酌をする仕事が入り、当時勤めていたママさんに色々相談し、イヤイヤながら着たのがきっかけで、それからというもの、何かある度に着ていくことが多くなりました。

いつもはワンピースの私が着物を着ているというだけで、お客様は一目置いてくれました。普段さほど話しかけてこないようなお客様まで「どうしたの?似合うね」と言ってくれます。それだけではなく、何より、自分自身に変化が出てきます。着付けをしてもらい、髪をセットしてもらうと、自然ときりりとした姿勢になり、仕草もそれらしくなるのです。お客様、そして自分自身、双方にとって良い効果をもたらすのがお着物だと思いました。ホステスだからこそ、普段も着られるのがお着物。職権と思って、積極的に着ることを強くオススメします。

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ライタープロフィール

アールさん/女性/年齢:30代/北海道函館市在住/中学生の男の子2人をもつシングルマザーです。ホステスとして働いていますが、空いた時間は趣味のオークションで出品作業。好きなことは読書と音楽・映画鑑賞。ただ、今はちょっとその時間が取れないのが残念。食べて飲んで寝ることが今の楽しみで、それがストレス解消にも。それでも疲れが著しい時は、椎名林檎さんのCDやDVDで英気を養います。