インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インド人の英語、ヒングリッシュに四苦八苦

2015/10/16

隣同士の村でも言葉が違う、と言われるくらいの多言語国家インド。ヒンドゥー語が一応第一公用語とされていますが、特に南インドではヒンドゥー語を話さない人も多いのが実情。イギリス統治時代の名残で英語教育が盛んで、違う言語圏から来たインド人同士で英語を話している、という不思議な光景もよく目にします。

ということで、英語ができればインドを旅行するのに不便はないはずなのですが、どうにも難しいのが彼らの英語の発音。インドの言葉の特徴である巻き舌と、歌うようなアクセントが一緒になって、理解するのがかなり難しいのです。そこでインド人の英語は、ヒンドゥーとイングリッシュをかけてヒングリッシュと呼ばれています。

例えば、where are you going?(ウェア・アー・ユー・ゴーイング?)というとてもよく耳にする質問ですら、ウェララーユーゴーイン? と巻き舌になってしまうので、思わず聞き返してしまいます。station masterはステーション・マスタル、permission paperはパルミッション・ペーパル。一度旅行会社でプライベート・カルを使いたいか、と聞かれ、何を言っているのか分からず何度も聞き返し、結局紙に書いてもらったら「private car」というとても単純な言葉で、脱力した経験もあります。

困るのが、こっちが何を言っているのか分からず聞き返すと、英語が話せない人扱いされて、相手が日本語が話せる人を連れてこようとしたり、説明を諦めてしまったりすること。ゆっくり話してもらっても結局巻き舌とアクセントは変わらないので意味がありません。

不思議なことに、英語ネイティブの人は「分かりづらいよね」とは言いながらも、インド人のヒングリッシュを完全に理解するのです。やはり自分の言語だと、推測が容易なんでしょうか。

で、編み出したインド人とのコミュニケーションのコツは、とにかく自分が言いたいことを先にワーっとしゃべる。すると相手はとにかく英語が話せることは分かってくれます。それからこちらの言葉に基づいて返事をくれるので、内容が推測しやすくなります。

インド人のヒングリッシュに困ったら、この方法を試してみてください!

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。