インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

ヒマラヤを臨む聖地、バドリナースへ

2015/05/01

宿の部屋から荘厳なヒマラヤ山系を眺められる

宿の部屋から荘厳なヒマラヤ山系を眺められる

インド人いわく2010年は、インドの雨季が過去30年で一番長く、激しかった年らしいです。(人によっては100年と言う人も。どうやって知ったの? まあ、インド人ですから…)そのため主に北部で土砂崩れが多発、道路が寸断され、目的地に向かったけれど辿り着けなかった、という人の話をよく聞きました。

そんな中、何を思ったのか、ブッダガヤから一緒に旅行をし始めた友人(現在のパートナーです)が、「ヒマラヤの聖地巡りをしよう!」と言い出しました。道路の状況が悪いんじゃ……とちょっと心配しながらも、熱心に計画を語る彼に押し切られ、ヒマラヤ聖地巡礼の旅に出ることに。

まず初めに、ヴィシュヌ神信仰の総本山、バドリナースへ向かいました。ヴィシュヌ神は、ヒンズー教の3大神のひとり。シヴァ神が圧倒的に人気があるので、ヴィシュヌ神の聖地は珍しいのだとか。バドリナースへは、デリーの300キロほど北にある町、リシケシからバスで向かいました。しかし悪い予感は当たり、これが自分史上に残るハードな旅になったのですが、それはまた別のお話。

バドリナースは町から雪を被った荘厳なヒマラヤ山系を眺められることで有名。

切り立った崖の上にへばりつくように、町の中心部があります。ヒマラヤ山系から湧き出る川の色は、ミネラルが豊富だからなのか、鮮やかなグリーン。美しいです。

ヒマラヤ山系から湧き出る川

ヒマラヤ山系から湧き出る川

町の中心部にはヴィシュヌ寺があり、たくさんの巡礼者で賑わっています。中に安置されているヴィシュヌ神の像は、ほっそりしていて優美で、何となく観音さまを思いおこさせました。男性的なシヴァ神とは対照的で、わたしはヴィシュヌの方が好みだなあ、などと不敬なことを考えてしまいました。

山と川、そして巡礼者たちが作り出す清廉な空気が心地よい町

山と川、そして巡礼者たちが作り出す清廉な空気が心地よい町

町の背後に控える山にも、ハイキング気分で登ることができます。高原のような斜面をひたすら登っていくのですが、石やビニールシートで家を作り、住み着いているサドゥー(行者)がたくさんいましたさすが聖地です。

山と川、そして巡礼者たちが作り出す清廉な空気が心地よい町でした。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。