インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

個人的にインドの遺跡NO.1! エローラ石窟寺院

2015/03/03

インド西部の大都市・ムンバイから東400キロに、アウランガーバードという町があります。この町自体は特に見るものもない小汚い(失礼)町なのですが、近くにインドの至宝と言える超ド級の遺跡が2つもあるのです。エローラ石窟寺院と、アジャンター石窟寺院です。

2007年のインド旅行で、これらの遺跡を見るためにアウランガーバードを訪れました。エローラ石窟寺院はバスターミナルからバスで簡単にアクセスできるということだったので、ローカルバスで行ってみました。エローラまではバスで40分ほどだったでしょうか。同じバスに乗っていた中国人の女の子と知り合い、一緒に遺跡見学することに。

エローラ石窟寺院は、30以上もの石窟にヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の神々が彫り出された、巨大な石窟群。第16窟のカイラーサナータ寺院は、ひとつの巨大な山を丸ごと彫刻して作られたという途方もないシロモノです。その大きさ、実にアテネのパルテノン寺院の2倍。完成に100年以上を要したと言われています。

カイラーサナータ寺院は大きさもさることながら、今にも動き出しそうなリアルな動物の彫刻や、ヒンドゥーの神々がおりなすストーリーが彫刻された回廊など、隅々まで美しさを堪能できるのがすごいところです。また、カイラーサナータ寺院の裏山、というかもともとひとつの山だったのが、山を掘り出す過程で分離した部分にも登ることができ、寺院を裏側から見ることができます。高みから見るとさらに巨大さが際立って圧巻です。

見所はまだまだたくさんあります。仏教をテーマにした石窟では第10窟のチャティヤ窟が見もの。ドームのような丸い高い天井にはストライプ模様のような彫刻が施され、一番奥には5メートル近くある仏様の像が安置されています。

ジャイナ教寺院は一般的にとても繊細な彫刻で有名で、このエローラ石窟寺院でも32窟は見ごたえがあります。カイラーサナータ寺院に似せて作られたそうで、確かに外観は縮小版みたいです。細かい彫刻のあるたくさんの柱に注目。

アウランガーバードの町に戻る最終バスは16時とのこと(念のため現地で確認してください)。早朝にスタートして、じっくり見て回りましょう!

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。