インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

シッキム・ペリンでゴンパと遺跡巡り

2015/05/28

ラブデンツェと呼ばれる王宮跡

ラブデンツェと呼ばれる王宮跡

ヒンズー教徒が大勢の国、インドにありながら、シッキムは仏教徒が人口のほとんどを占めています。それもそのはず、住民は75%がネパール系、20%がチベット系だからです。シッキムには昔、亡命チベット人が建国した王国がありました。その首都だったことがあるペリンには、ゴンパと呼ばれるチベット仏教の寺院が多数、また王国の行政機能があった場所の遺跡が残っています。

ペリンの町からゴンパへ向かうには、森の中の車道をガントク方面に向かって歩いていき、途中左手の道で折れて、坂道をどんどん上っていきます。かなり距離があるので、足もとはしっかりしたスニーカーがベター。

ゴンパの入り口では、チベット仏教でおなじみのマニ車(大きな糸車のような形で、触って回す)が風に吹かれてかたかた回っています。長い参道を登りきったところに、メインのゴンパが建っており、中を見学することができます。チベット仏教寺院なので、色使いがとにかく派手。虹色の垂れ幕、どぎついペイントが施された神さまたち。

2階建て構造になっているゴンパで、階上にはミトゥナ(男神と女神が交わっている様子)を描いた絵がずらり。性的なエネルギーが霊力を高める、という発想に基づいたものだそう。え? 仏教にそんな教えあったっけ…とぽかんとしてしまいましたが、明らかにヒンドゥー教の影響ですね。

さて、ゴンパを後にして、ラブデンツェと呼ばれる王宮跡に向かいます。ラブデンツェは見晴らしのいい丘の上に建っており、晴れた日はカンチェンジュンガを眼前に見ることもできます。遺跡自体は整備されたブロック塀という感じですが(実もふたもなくてすみません)、眺めがとにかく素晴らしいので、行ってみる価値はあります。

インドでチベット文化に触れるというと、ラダックを思い浮かべがちですが、シッキムもなかなかおすすめです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。