インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インド亜大陸で経験した、壮大なすれ違い

2015/09/14

2010年のインド旅行では、本当にたくさんの素敵な人たちに出会うことができました。そのうちの何人かは、今でも頻繁に連絡を取り合ういい友人です。

中でも、リシケシで出会ったカナダ人女子Aと、アメリカ人男子Dとは、リシケシから先のダラムサラ、アムリトサル、バラナシまで1ヶ月半に渡って一緒に旅をした仲です。ふたりともインドの半年のビザを使い切る勢いの長期滞在者だったので、バラナシでお別れしてからも、それぞれ別ルートで旅を続けていました。

バラナシから先、わたしはブッダガヤに向かい、Aは南インドのバンガロール、Dはネパールに向かいました。バラバラになってからもお互いに連絡を取り合い、近況報告をしていたところ、10月下旬に全員がデリーで集合できることになりました。

わたしは2人よりも先にデリー入りして、その日を楽しみに待っていました。ところが、Aがデリー入りするはずだった日の朝、Aから「ごめん、今日デリーに行けない!」というメールが。いわく、「昨日バンガロールの友達がお別れパーティを開いてくれて、飲みすぎて寝過ごしてしまった」とのこと……。3日後に安いフライトがあり、チケットを買いなおしたとのことだったので、嫌いなデリーでさらに3日間過ごすことに。

さらに、その次の日にデリー着だったはずのDからも悪い知らせが。「ネパールの旅行会社で、ゴラクプール(ネパール国境に近いインドの町)からデリー行きの列車のチケットを取ったのに、ゴラクプールまで来たらチケットがニセモノだったと判明した。次に予約が取れるのがいつか分からない」と言うのです。

予約が取れ次第デリーに向かうとのことでしたが、インドは10月から旅行のベストシーズンに入っていて、列車は連日満席。近々にチケットを取るのはかなり難しいとのことでした。

Aとは無事デリーで合流でき、楽しい時間を過ごしましたが、Dからの連絡は無しのつぶて。このままデリーで待ち続けることは出来ない…と判断し、Aとの再開3日後にデリーを去りました。

ところが! デリーを去り、次の目的地ダージリンに着いてメールチェックをすると、Dから「バスを乗り継いでデリーに着いた!」というメールが届いていました。その日付は、わたしがデリーを去った次の日!

あと1日我慢して待っていれば、また3人揃って再会できたのに…ものすごく残念でしたが、移動にトラブルが付きもののインドでは、こういうすれ違いが日常茶飯事なのです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。