インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インド・ブッダガヤの日本寺で座禅体験

2015/04/28

インドのブッダガヤには、仏教徒がいる各国のお寺が建てられています。中国、ミャンマー、タイ、ブータンにネパール、チベット寺は3つもあります。各国ともお寺の雰囲気がまったく違うので(例えばタイ寺やチベット寺は、見た目がとにかく派手)、それぞれ訪れて雰囲気を楽しむことができます。

実は「印度山日本寺」という日本のお寺もあります。こちらはほっと懐かしくなるような、大仏殿造りの控えめな見た目。こちらでは現地の住職さんと一緒に座禅ができるということだったので、一緒にブッダガヤを訪れた友人と、現地で知り合った友人の3人で、座禅体験をしに行ってみました。

中に入るとひんやりうす暗く、外の暑さを忘れさせてくれます。住職さんは思ったよりもかなり若い方でした。一緒に行った友達は外国人だったため、座禅を組んだことがなく、片足を伸ばした姿勢で座るなどして大変そうでした。ただ、住職さんによると姿勢はそんなに問題ではないそうです。座禅と聞くとイメージする、延べ棒で肩をパシっと叩かれることもありません。

住職さんがわたしたちの前に座り、座禅スタート。目をつぶると、視覚が奪われるぶん、聴覚が敏感になる気がします。鳥の声や、風の音、サイクルリキシャーをこぐ音、いろんな音がいつもよりくっきりと聞こえてきます。

でも、こういう「外からの刺激」に気を奪われているうちは、座禅の本来の目的からは離れてしまっているそう。頭の中を空っぽにして、自分の身体と外の世界の境がなくなる状態がベスト。住職さんいわく、頭のてっぺんから泉が湧いて、丹田(チャクラ、おへその少し下にある、エネルギーをつかさどるポイント)まで水が流れていくのをイメージするといいとか。

30分ほど経ったでしょうか、どんな合図があったかは覚えていませんが、目を開けて座禅終了。身体が少し軽くなったような、新鮮な気分でした。座禅の時間は、4月〜10月は朝5時と夕方5時、11月〜3月は朝6時と夕方5時とのことです。ブッダが悟りを開いたこの土地で、座禅に挑戦してみるというのも、面白い趣向ではないでしょうか。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。