インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インドの自由な野良動物たち

2015/07/09

野良犬はそこら中にいます

野良犬はそこら中にいます

インドの路上ではあらゆる動物がくつろいでいます。代表的なのは牛でしょう。シヴァ神の乗り物としてあがめられている牛は神聖な動物とされ、ヒンドゥー教徒は牛を食べることができません。そのため牛乳も出さず、食肉にもできない雄牛が捨てられ、野良牛となって路上を埋め尽くしています。

神聖な存在だからといって、野良牛がインド人に大事にされているわけではありません。たまに露天商の野菜を盗み食いしようとして、棒で思いっきり尻をはたかれている牛を目にします。ただ、やはりインド人にとって身近な信仰の対象ではあるらしく、よく牛とすれ違うときに頭や腹を撫でて、何かお祈りを呟いていいます。

牛の方も人に遠慮している気配はまったくなく、道路の真ん中で昼寝して大渋滞を巻き起こしたり、線路の上で寝て何千人も乗った列車の遅延の原因になったりしています。普段はのんびりしている牛ですが、狭い路地で鉢合わせすると警戒して角を突きつけてきたりするので、要注意。

野良犬もそれはもうそこら中にいます。野良犬はインドでは結構ハードな生活を強いられているようで、あまりフレンドリーではありません。ただ1度北インドのダラムサラで、ものすごく愛想のいい犬に出会ったことがあります。

友達と3人でレストランで食事をして、ゲストハウスに向かっていたときでした。1匹の犬が道ばたに寝転んでいたので、犬好きの友達が撫でて遊んでやったりしたところ、嬉しかったのか犬はわたしたちの後をずっと付いてきます。ゲストハウスまで来て、玄関ドアを開けると中まで入り込んできてしまいました。3人で何とか工夫して、犬を締め出す格好で自分達の部屋に入れたのですが、諦めが悪い犬はずっと前足でドアをノックしたり、ク〜ンと鼻を鳴らして懇願しています。結局不憫に思った友達がドアを開けてしまい、犬は喜びいさんでベッドにジャンプ! 外を歩いてきた泥だらけの足で……。それから1時間以上ベッドに居座ったでしょうか、追い出すのに苦労しました。

人も犬も、極端な性格が多いのがインドらしいと言えば言えそうです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。