インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インド・世界遺産の中の小さなハンピ村

2015/03/24

小さなハンピ村

小さなハンピ村

南インドの内陸部、デカン高原と呼ばれるあたりに、ハンピという小さな村があります。どのくらい小さいかというと、村の中心には500メートルほどのメインストリートが1本あり、その周辺に村のほとんどの人が住んでいるという小ささです。しかしハンピには、素晴らしい遺跡を目当てに外国から多くの観光客が訪れるんです。

世界遺産にも登録されているこのハンピの遺跡群は、14〜16世紀頃にこの地にあったヴィジャヤナガル朝の首都の名残です。極度に乾燥した気候のため、遺跡の保存状態がとても良いのが特徴。また、遺跡の点在する高原には、そこかしこに「どこから来たの?」と不思議になるような巨岩がごろごろ転がっていて、なんとも不思議な景観を作り出しています。

遺跡の村人の生活への溶け込みっぷりはなかなか面白く、神殿跡を船着場にしたり、お土産ものを広げる露店にしたりしています。この遺跡に対するカジュアルさは徹底していて、警備員や見張りの人も、人気のあるメインの建物にしかいません。平原に置き去りにされているかのような他の建物には特に立ち入り禁止区域もなく、中に入って、触って体験できる楽しさがあります。

のんびりした村では、村人が川でサリーを洗濯したり、遺跡で昼寝をしたりしています。村には観光客用のゲストハウスやレストランがたくさんありますが、商売っ気は全然ありません。気がつくと、暇そうなインターネットショップのお兄さんと小1時間くらい話こんでしまいます。メインストリートの端っこの方では、いつも地元の子供たちがクリケットをして遊んでいます。他のインドの街とは、明らかに時間の流れ方が違います。

他のインドの街とは、明らかに時間の流れ方が違います

他のインドの街とは、明らかに時間の流れ方が違います

こんな素敵な村、ハンピへのアクセスは、鉄道かバス。ハンピ村最寄の鉄道駅は、10キロほど離れたホスペットという町にあります。そこからリキシャーやローカルバスで30分ほど。長距離バスは、バンガロールやゴアなどの南インドの主要な都市から出ています。道の状態が悪く、かなり揺れるので、できれば鉄道でのアクセスがおすすめです。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。