インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

インド最高峰に抱かれた町・ダージリン

2015/05/15

ホテルの屋上から標高8000メートルを超える霊峰・カンチェンジュンガ

ホテルの屋上から標高8000メートルを超える霊峰・カンチェンジュンガ

インドの東端にある、ネパール国境に近い町ダージリン。19世紀にイギリス人の避暑地として開発されました。ダージリン・ティーと世界遺産でもあるトイ・トレインで有名なこの町は、植民地時代のイギリスの建物に囲まれつつ、行き交う人々の顔つきはネパール系、そこにヒンディー語の看板を掲げた店が並ぶ、という何とも不思議な文化のるつぼ具合を見せています。

さて、ダージリンは坂の町。目抜き通りのヒル・カート・ストリートが中心地で一番低い場所にあり、東側に険しい斜面が切り立っています。細い路地や階段で上っていくと、また大きな道が南北に走り、そのまた一段上に……といった具合で、いわば階段状の町です。斜面の勾配はかなりきつく、たまに「45°以上?!」と思うような急勾配も。そのため、滞在していた丘の上のホテルから、メインストリートまでを行き来するのもひと苦労でした。

そんなちょっと不便な場所にあるホテルですが、わたしはとても気に入っていました。というのも、ホテルの屋上から標高8000メートルを超える霊峰・カンチェンジュンガがきれいに見わたせたからです。高く厳しい峰を頂く白い山々が、真っ青な空に映える様子は、毎日どれだけ見ていても飽きませんでした。

カンチェンジュンガがきれいに見えるスポットとしては、中心街の北東にあるチョーラスターの丘が有名ですが、個人的には泊まったホテル「Alement hotel」の屋上からの眺めの方が好きでした。

ダージリンを訪れたのは10月の初めでしたが、標高の高いこの地ではすでに季節は冬。陽のある昼間はまだいいのですが、夜になると極寒でした。10月ですらこんな調子なので、年末年始などの本格的な冬季に訪れる場合は、しっかり防寒着を持っていってくださいね。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。