インドってどんな所?
インドに長期滞在したそまちひろさんが、現地の様子を紹介します。

シルクロードのロマンを感じる、アジャンター石窟寺院

2015/03/06

エローラ石窟寺院から少し離れたところに、これまたブロックバスター級世界遺産のアジャンター石窟寺院があります。これは半円形の断崖をくりぬき、いくつもの部屋を作って、その中に仏教の宗教画や彫刻などを施した石窟群です。紀元前2世紀〜紀元6世紀までに作られたと言われています。

アジャンター石窟寺院は、アウランガーバードの町からは車で2時間半ほど離れており、ローカルバスでは行きにくいと聞いていたので、ツアーを利用することにしました。アウランガーバードの鉄道駅前にある州政府指定の旅行会社で、往復バスとガイド込みのツアーを予約。当日は旅行会社の前に朝7時待ち合わせで、一路アジャンター石窟寺院へ。

朝10時ころ現地に着き、大型バス専用駐車場から排気がクリーンなエコバスに乗り換え、石窟群の最寄の駐車場まで行きます。ガイドに率いられ、のっけから有名な壁画「蓮華を持つ菩薩像」を鑑賞。保護のため照明が暗く、観光客も多いので見づらかったですが、菩薩さまなのに妖艶なお姿を拝むことができました。

さらに印象的だったのが、第26窟。細かいレリーフが施された大きなな柱が両側にずらっと並び、その奥に仏陀像が安置されています。天井は大聖堂のようなストライプの彫刻……そうです、エローラ石窟寺院の第10窟にそっくりです。成立年代的にはエローラ石窟の方がやや後なので、アジャンター26窟からの影響があったのかもしれません。などなど、エローラと比べながら見るのも面白いです。

訪問したのは10月だったのですが、日差しが強すぎて消耗しました。猛暑期の3月〜6月はもっと強烈だと思います。防止、日焼け止めなどの暑さ対策は万全に。

また、ツアーなのでひとつひとつの石窟を入念に見て回ることはせず、有名どころを中心にさっくり回るので、若干物足りない気もしました。ローカルバス以外の裏技アクセスとしては、交渉してアウランガーバードから片道料金でツアーバスに乗り、帰りも同じようにして帰ってくること。これは実際やっている観光客を結構見ました。ただしハイシーズンなどは帰りの席に空きがないこともありえますので、気をつけてくださいね。

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ライタープロフィール

そま ちひろさん/女性/年齢:30代/中南米(2013年現在)/フリーライターおよび翻訳業。お気に入りの国はインド、住んでみたい国はスペイン、そして現在は南米を縦横断中、という矛盾だらけの人生を満喫しています。著作に「ヘラクレイトスの水」(大宰治賞2009収録)。