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地球の歴史が感じられる氷河、年々縮小傾向へ フォックスグレイシャー

2010/05/17

ニュージーランドは自然が多く残る国です。映画ジェラシックパークの撮影もされており、その自然の豊かさは世界でも有名でしょう。ただ、目立つ象徴物はないかもしれません。たとえばナイアガラの滝やエアーズロックのような、大自然をわかりやすく感じる象徴はないようです。しかし、実は氷河が何億年もの地球を感じさせる、ニュージーランドが自慢すべきものなのかもしれません。

ニュージーランド西側にあるフォックスグレーシアとフランツジョセフグレーシアは、町から歩いてすぐの場所にあります。ごく近いところに、巨大な氷の塊があるのです。それも分厚い氷なので、透明というわけではなく、青白いのです。どう考えても数十年程度でできたものではなく、はるかな歴史を感じさせられます。その薄く青く光る様子は、神秘的以外のなにものでもありません。

ただ、ガイドの話によると、この氷河が少しずつ解けてしまっているのだそうです。特に近年の溶け具合は早く、以前氷河があったはずのところが、今ではただの灰色の大地になっていることも。何年もガイドをしている人や地元住民は、地球温暖化が確実に進んでいることをが、肌で感じられるということです。冬が暖かくなったとか、南極の氷が解けているといわれてもピンと来ないけれども、目の前で氷河の体積が小さくなっていくのは、強烈なインパクトなのでしょう。自分が老人になったころには、この氷河はないのかも・・・。氷河にはまる人の中には、ただ美しさに惚れているだけでなく、さびしい気持ちもあるのかもしれません。

なお、フォックスグレーシアでは、本格的な氷河ウォークから味見程度のものまであります。本格的なものになるとピッケルとくぎ付きのシューズを貸してくれます。ただ、やや体力は必要になるでしょう。それがしんどいならば遊覧飛行がお勧めです。それから美しい氷河を眺めることができます。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。