トロピカル・タイム〜南太平洋航海記〜
ニュージーランドからヨットで南太平洋をクルージング。4年間の南太平洋航海記

ニュージーランド人は3週間のバカンスが当たり前

2010/11/15

2003年 12月
ところで、暇だったのでニュージーランドの祝日を数えてみました。年間で11日。ちなみに日本はというと、なんと19日もあるそうです。

「そうよ、日本って祝日が多いのよ」とこちらに長く住んでいる年配の日本人の方にいわれましたが、日本はほぼ毎月祝日があるようですね。それなのに、日本では何だか休みが少ない気がしてしまうのですが。

わたしの疑問をぶつけると、「それは日本では長期休暇がとれないからよ」という答えが返ってきました。なるほど、こちらの人は、少なくとも毎年3週間程度のまとまった長期有給休暇をとります。子どもがいる人の場合は、大抵夏休みに合わせてクリスマスホリディから1月の中頃まで完全にオフにしてキャンプやバカンスに出かけます。

日本の場合、3週間もまとめて休暇を取れる人はあまり多くはないでしょう。けれど、こっちでは当然のこととして受け止められています。むしろ、取らなければ、仕事熱心だと思ってもらえることは少なく、よほどお金に困っていてバカンスに行く経済的余裕がないか、仕事の要領が悪いといった不憫な目を向けられることになります。

また、こちらの学校は4学期制で日本と違って秋休みがあります。それも、何だかたくさんお休みを取っているように感じさせる要因でもあるかもしれません。

祝日の話はこれくらいにして、わたしたちはオプアのヨットクラブのクリスマスパーティに参加することになりました。

ヨットクラブでのクリスマスは、家族と遠く離れた異国の人々の癒し的な集まりでした。持ち寄り料理で埋められたテーブルは、国際色豊かでとてもユニーク。おいしそうなものだらけです。ほんの少しセーリングしている程度であれば大金持ちの人もいますが、世界一周など長期で航海している人々は切り詰めた予算内で生活しているのが普通です。なので、高級素材を使ったものは出てきません。 ただ、ヨットの生活というのは相当シンプルで、よほどのお金持ちヨットでない限り、テレビやインターネットどころか、電気もない場合がほとんどです。限られた書物を読むこと、周辺のヨット仲間と語ることが最大の娯楽といえるでしょう。わたしの場合も、同じ本や雑誌を隅々まで何度も目を通し、広告の「愛用者の言葉」まで記憶する
くらい読んでいたものです。そんな中で、料理は大きな関心ごと、楽しみのひとつであります。

揺れて、傾く船内でいかに早く調理をするかということから始まり、さらに限られた食材をいかに刺激的なものに変化させるかということに挑戦するのです。わたしの出会った人々も、ほとんどが同じ傾向にあり、かなりの腕の創作料理人だらけでした。

そんなプロ顔負け(ほめすぎ?)の創作料理人たちの料理が、クリスマスパーティのテーブルを飾りました。ちなみに、わたしの場合は、「日本人=すし」という図式ができているようで、当然のように「すし」がやってくると思われているところがあります。それなのに、うっかりサンドイッチやピザなんてものを持っていったりしたら、あからさまに落胆されてしまいます。

ただ、この「すし」というのはいわゆる「カリフォルニアロール」のことで、要するに海苔で巻いてあればよいのです。手の込んだ具材などは期待されておらず、アボガド、きゅうり、卵に、ツナかチキン、サーモンなんかが巻かれていればよいのです。なので、簡単といえば簡単です。

そんなごちそうをたっぷり食べて、大満足のところに、子どもたちお待ちかねのサンタさんが登場しました。さすがヨットクラブだけあって、サンタさんはなんとジェットボートでやってきました。そばにはサンタカラーのビキニに身を包んだかわいいヘルパーも。

おもちゃやお菓子をもらった子どもたちは、大喜びでクリスマスの一日を過ごしたのでした。

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。