- トロピカル・タイム〜南太平洋航海記〜
- ニュージーランドからヨットで南太平洋をクルージング。4年間の南太平洋航海記
パスポートがいっぱい
2010/10/26
ビザのほうですが、訪問国によっては、なくてもしばらく滞在できるところもあります。パスポートの種類(国の違い)によって区別があるのです。
たとえばオーストラリアとニュージーランドの場合、まったく別の国ですが、それぞれの国のパスポートがあればお互い自由に行き来することができます。両方の国に永住でき就労することもできるのです。そのために、外国人の中には、永住権(居住するための権利)取得のみならず、市民権(その国のパスポートを取得すること)を得る人も多くいます。
ただ、日本では認められていませんが、諸外国では重国籍が可能なところが多くあるのです。つまり、自分の国(メインの国)以外の国にも籍をおけるということです。
わかりにくいかもしれませんが、いわゆる自分が生まれた国の中で一生涯を終えるというのは先進国では実は稀なケースなのです。特にヨーロッパ圏の場合、同一通貨が使われていることからもわかるように、あまり区別がはっきりとしていないのです。
日本は、単一民族であることと島国であることから、「国」として完全にほかの国々から独立しているため、「海外」は本当に海の外という印象を持っているでしょう。どんなに近いといっても、台湾も韓国も海の向こうの国なわけです。
しかし、ヨーロッパンの場合は陸続きで異国間の出入りが簡単なことから、婚姻も出生もごちゃまぜになっているのです。アメリカやオーストラリア、ニュージーランドの場合は、どこも基本が「移民の国」なので、当然のように重国籍がとり入れられています。
だから、市民権をとって、ニュージーランドのパスポートを持つといっても、日本のように自分の国を捨てるという大きな決断は必要ないわけで、便利な通行手形をもらうだけということです。日本人の中にはパスポートを複数持つ人に不信の目を向ける人がいるようですが、別に彼らはスパイというわけではないですよ。
また、南太平洋の島々は、ニュージーランド人ならビザなしで3カ月滞在できます。けれど、日本人は1カ月だけといった具合です。わたしたちの場合は夫と子どもはニュージーランドのパスポートを持っているので長く滞在でいるのですが、わたしだけは別。
ところが、バヌアツはとても大らかで、とても簡単に滞在延長を許可してくれました。まぁ、バヌアツの場合は、ほかの先進国のように不法就労でこの国のお金を得ようというパターンはまず考えられず、むしろ外国人でもエイリアンでも滞在すればするほど、お金を使ってくれて国が潤うということなのでしょうが。
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山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。