トロピカル・タイム〜南太平洋航海記〜
ニュージーランドからヨットで南太平洋をクルージング。4年間の南太平洋航海記

物価が違い過ぎる!

2010/11/05

2003年 10月
バヌアツも十分に堪能し、もうじきサイクロンの時期がやってきそうだということで、ニュージーランドに戻る気配が出てきました。その前に、もう一度ニューカレドニアによることにしました。

久々に戻ってきたヌメアの町は、驚くほどの都会に感じられました。最初来た時と何ひとつ変わっておらず、まったく同じはずなのに、文明が感じられたのです。

そして、改めて物価の高さにビックリ!何にも買えないよ〜。

経済学をまったく学んだことのないわたしには、世界の物価の違いの起こり方がさっぱり理解できません(あえて学ぼうともしていないけど・・・)。

なんで、同じパパイヤ1個がバヌアツでは40円で、ヌメアだと400円になるの!ちなみにニュージーランドなら300円くらい(まぁ、輸入だから、飛行機代がかかるはず)、日本だとなんと800円(まぁ、輸入だし、日常的に食べられないから、個々の値段が高くなる?)!

バヌアツは平均収入が15000円程度だそうです。バヌアツでの高給職種は公務員関係で、学校の先生になればこの倍額程度はもらえるということでした。ただ、これは現金収入のある人のみを計算しており、自給自足の人たちは計算に入っていません。つまり、全国民20万人ほどの平均ではなく、上位のごく一部なのです。だから、実際ははるかに下回るでしょう。

これに対し、ニューカレドニアはフランスの収入と同等で、それどころか遠隔地手当などが国から援助されるとか何とか。フランスの中間収入(平均ではなく、一般的な収入)が20万円程度らしいので、それにプラスアルファということです。

バヌアツ・・・15,000円
ニューカレドニア・・・200,000円+アルファ


すぐ隣の国なのに、この違いは何なのでしょう?

ただ、収入15,000円の国にはホームレスは存在しません。けれど、収入200,000円の国にはホームレスがたくさんいます。

経済のことはまったくわかりませんが、満たされれば満たされるほど、人の感じる幸福の幅は狭くなってしまう気がします。

何もなければ、たったひとつのオレンジをもらうだけでも、嬉しくなってしまうでしょう。

だけど、オレンジが100個あれば、1個もらっても感動はないでしょう。あるいは、このオレンジを高く売ってお金にし、よりよい暮らしを手に入れたいと思うかもしれません。

その結果、物価が上がってしまうのでしょうか?

つい最近、中国にある日本の自動車製造工場で中国人労働者によるストが起こったそうです。日本人は中国の安い労働力を見越して、工場を建て、現地人を雇用した。最初はどちらにも利益があると思えたようです。会社は経費削減、中国側は仕事が提供されるというわけです。

ところが、実際に働き始めると、日本人従業員と中国人労働者の賃金が50倍も違うということが発覚したのです。これに不満を感じた中国人らがストを起こしたということです。

これは労働の場での問題ですが、今は安価のバヌアツも周囲の値段の高さにいつか気がつく日が来るのかもしれません。そして、「パパイヤは400円で売ろう!金持ちになろう!」と一致団結してしまうようなことがあるのかも。それがインフレの構造?

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ライタープロフィール

山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。