- トロピカル・タイム〜南太平洋航海記〜
- ニュージーランドからヨットで南太平洋をクルージング。4年間の南太平洋航海記
クリスマスは家族の日
2010/11/12
2003年 12月
久々に帰ってきたニュージーランドはすっかり初夏のよそおいでした。とはいうものの、トロピカルな南の島々から戻ってみると、やっぱり寒い!南極に近いな〜と感じてしまいます。さらに南下して、よりいっそう寒くなるのはこりごりなので、しばらくニュージーランドの北端ベイオブアイランド地区に滞在することにしました。
ニューカレドニアから航海してきて最初に到着したのがベイオブアイランドにあるオプアという港でした。ここは入り江の奥のほうに位置しており、風や波が入ってきにくい快適な場所です。ほかの人々も同じような気持ちでいるのか、狭いオプアの入江はたくさんのヨットでいっぱいでした。
さて、ニュージーランドではクリスマスは夏です。「サンタはどんな格好しているの!」と素朴な質問をよくされますが、サンタさんは北半球と同じように、赤と白のユニフォームに身を包んで登場します。もっとも、激寒地区のように綿入れではなく、ぺらぺらした生地で通気性はよさそうです。
ちなみに、オーストラリアの緯度の低い地域では、赤いショートパンツにTシャツ、黒サングラスに白ひげを蓄えたサンタが登場するようです。ずいぶんイメージが変わりますが、かといって無理に厚着して、汗まみれを我慢してイライラしているサンタでは子どもたちも嫌でしょう。
ところで、クリスマスは日本では恋人たちのロマンチックなイベントごとであるでしょう。特にクリスマスイブは若い女の子にとっては一大事。数多くの切ない映画やドラマもクリスマスイブの夜がゴールとなっているようです。そして、一夜明けたクリスマスは意外と重視されていないような・・・。
ただ、若い時にはそんなに盛り上がったクリスマスも、加齢とともに縁遠くなっていくかもしれません。子どもがいれば別ですが、そうでなければ忘れて素通りすることも多いでしょう。これから先の年代は、変わっていくかもしれませんが、少なくともわたしの親の年代では子どももいないのにあえてクリスマスを祝っているとは想像できません。クリスチャンの方でない限り、キャンドルをともしたり、ケーキやチキンなんかでメリークリスマス・・・きっとしていないはず。もっとも、わたしは10代で自宅を出ているので、その後の夫婦の季節行事をこっそりのぞいたことはありませんが。
それはともかく、ニュージーランドや欧米諸国では、クリスマスは恋人のためではなく家族のためのイベント行事です。つまりお正月のような扱いなのです。25日がクリスマスの祝日、そして次の26日も祝日になります。この日は「ボクシングデー」と呼ばれています。このボクシングは戦いのボクシングではなく、ボックス(箱)のことを指しています。25日にたくさんもらったプレゼントの箱を片づける日というわけです。
単に「クリスマスのためのお休み」とだけ名付けてもよかったようなものを、あえて「箱を片づける日」と命名した人の素敵なセンスにちょっと微笑ましい気がします。
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山下なおこさん/女性/年齢:30代/ニュージーランド滞在(16年以上)、自然と素朴な料理が好きな女性です。