フィリピンってどんな所?
フィリピン、セブ島在住のJack天野さんがフィリピンの魅力を紹介します。

フィリピンのメイドに惚れた男

2012/08/29

フィリピンに移住する日本人は、妻帯者やフィリピーナと国際結婚した方の他に独身者がいます。日本でのIT革命に追いついて行けず退社した方や、熟年離婚した方達です。

フィリピンでの一人暮らしは大変です。電気や水道の支払い、炊事洗濯に掃除、そして言葉が判らないと買い物もできません。大概の場合は、大家さんに頼むとメイドを紹介してくれます。通いのメイドならば月額3000ペソ(6000円)住み込みで月額1500ペソ(3000円)です。住み込みの方が安いのは、メイドに部屋を与え3食が付くからです。自分の部屋があり、朝昼晩と食べる事ができ、炊事や洗濯をするだけで1500ペソのお小遣いがあるのです。

問題は、雇い主が日本人で独身者である事です。一般ではメイドと一緒に食事はしません。メイドと一緒にリビングで過ごしたりテレビは見ません。メイドは使用人としてハッキリ区別されているのです。

しかし、日本人はメイドの扱いに慣れている訳でなく、まして独身となれば寂しさもあります。結果、一緒に食事をし、一緒に買い物にいき、一緒にリビングで寛いでしまいます。近くに住む日本人から「いやあ、私のところのメイドは働き者で、良く気が付く優しい娘なんだよう。」「結婚しようと思っているんだけど、どうだろうねえ?」と聞いてきました。

「全て自己責任だから、私がとやかく言う必要はないけれど、メイドは使用人と割り切った方が良いよ」と言いました。メイドは家庭が貧しく、ハイスクールも小学校も行っていない事が多いのです。また、後々家族が助けを求めてくる事もハッキリ判っています。

数ヵ月後に再度たずねて来ました。少しやつれた顔で「いやあ、参ったよ、結婚したら急に仕事をしなくなったんだよ。」「妹とお母さんをメイドに雇って、他の家族まで家にいるんだよう」

結婚するとメイドではありませんから、他にメイドを雇うのは極自然な事です。お母さんと妹を雇えば、月に3000ペソの収入があり、家族も一緒ならば生活費も掛かりません。次にこの男性を見かけたのはショッピングモールでした。元メイドの奥さんはビヤ樽のような体型に変り家族を従え、一番最後に荷物を抱えた男性が着いて行きます。

幸せなのかなあ それとも諦めたのかなあ と思いながら眺めていました。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。