フィリピンってどんな所?
フィリピン、セブ島在住のJack天野さんがフィリピンの魅力を紹介します。

日本とは違うフィリピンのバレンタイン

2012/07/22

日本のバレンタインは、義理チョコはそれなりに、本命で思いを伝えたい人には手作りチョコとなりますがフィリピンでは、まったく違う習慣があり驚いた事があります。

フィリピンは国民の95パーセントが敬謙なキリスト教徒です。聖バレンタインデイは、古代ローマ帝国の皇帝クラウディウス二世が戦争に行きたがらない若者に対して結婚を禁じる発令をだした事に始まります。バレンタイン司教は、可愛そうな兵士に対し内密で結婚を認めましたが、皇帝に捕まり投獄されます。聖バレンタインの命日が2月14日になるのです。

フィリピンでは、聖バレンタインに祈りを捧げると共に、愛を表現しなければなりません。奥さんには、愛情表現としてのメッセージと薔薇の花を沢山プレゼントします。これを忘れると、翌日から態度が一変して一年中後悔する事になります。

バレンタインの1週間前から町中には薔薇売りの屋台が立ち並びます。薔薇売りは一年分の収入を1週間で稼ぐと言われ、この日の為に一年間仕入れのお金を貯めています。赤い薔薇が一番安いのですが、それでも1本100ペソ(普段は10ペソ)見習い大工の1日分の収入になります。10本ともなれば1000ペソで、おそらく1000ペソ札を見た事も無い人には、高いのか安いのかも判りません。一番高い薔薇は珍しいブルーの薔薇ですが、何と1本300ペソもします。300ペソは大工の棟梁の日給と同じです。10本で3000ペソは、5人家族の1ヵ月分の食費と同じ金額です。

当然の事ですが、貧困層では赤い薔薇1本も買うことは出来ませんが庭に薔薇を植えている一般の家庭から1本10ペソくらいで分けて貰います。恋人がいる男性はもっと大変です。バレンタインの為に日雇いで働いたり、大工やカーペンターのアルバイトをして薔薇代を稼ぎます。

私は知らなかったので、チョコレートは?と請求したら うん!と顔をひねられました。でも、薔薇の花の威力は物凄いパワーがあります。特に青い薔薇は凄いです。

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ライタープロフィール

Jack天野/男性/年齢:50代/セブ島在住/13歳より横須賀の将校クラブでドラマーデビュー、20歳でハモンドオルガン奏者、その後ピアノの弾き語りとしてファイアットリージェンシーと契約し東南アジア各国のホテルロービーピアニストを務めました。ちょっとマイナーな部分も含めて、楽しい記事を書きたいと思います。宜しくお願いします。