海外で生活すると、どのように英語を覚えていくの?
アメリカ人と国際結婚し、カリフォルニア州に住んでいるシャイロさんがどのように英語を覚えたのか紹介します。

日本の英語教育のクエスチョン

2016/03/10

近年では小学校でも英語学習の義務教育化が始まりましたし、小さい頃から子供を英会話へ通わせる家庭も増えています。もはや英語は出来て当たり前の時代になっていますが、そんな教育下にありながらも、日本に来る外国人が驚いてしまうのが、日本には英語を話せる人が少ないという事です。

学校では、文法など入試対策の英語に力を入れすぎて、肝心な会話力の上達にはまるで目もくれなくなっている気がします。筆記テストをするくらいなら、5分間の英語のインタビューを試験として行った方がずっといい気がします。

私は日本で英会話の教師をしていました。ある時、新しく入って来た高校生の生徒に"How are you doing?"と訪ねたのですが、彼女は全くその意味が理解できなかったのです。何故なら、彼女は中学校からの5年間「元気?どうしてる?」という表現を"How are you?" そして、"I am fine" という表現でしか学んでこなかったからなんです。

その現状にとてもショックを受けました。「元気ですか?」の様に相手に調子を尋ねる言い方は、沢山あります。How are you doing? What's up? などもその内です。そして、もっと知られていないのが、How are you? How are you doing?などは、「元気?どうしてる?」という質問だけでなく、Helloなどのように、ただの挨拶代わりとして使う事が多いのです。例えば、通りすがりの人にHow are you doing? と挨拶をしますが、別にそれは特に元気かどうかを相手に尋ねている訳ではありません。ただの挨拶代わりなんです。そして、I'm fine. と使うネイティブはあまりいません。Good/Great/ doing okなど、このような感じでカジュアルに返すのが一般的です。

それから、What's your name? (名前は何ですか?)という表現。これも、子供の時に英語を習い始めたときから高校生まで変わらない表現として覚えてきました。ですが、What's your name?は子供に使うならいいですが、社会に出て職場や目上の人へ使う場合などは、Can I have your name? などと言った方がずっと綺麗です。

こんな風に実際に使える英語を、私たちは学んで来なかったような気がします。"試験の為の英語教育""受験対策"が殆どを占めていて、学校を卒業してしまえばそこでストップなのです。このままでいいのかと、この先が不安になるのでした。

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ライタープロフィール

シャイロさん/女性/年齢:20代/カリフォルニア在住/日本・アメリカで舞踊家として活躍。伝統芸能伝承を目標に子供達のためのワークショップに努める傍ら、趣味でモデルやライター活動もしています。